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女ざかりの恋の音色は
第12章 【番外編】くもり空と秋晴れの空と
芙実は友里に見られていたことを知って、赤面した。

「ご、ごめんなさい!なんか、あ、あの時、トランス状態っていうか、アルコール入ってたのもあって、ちょっと意識がおかしくなっていまして・・・・・!」

慌てる芙実を見て、友里が微笑む。

「あんな彼と一緒にいたら、おかしくなるよ。私もまた二人みたいに、好きな人といちゃいちゃしたい!ってすっごい思ってる。今日、どんな結果になるかわからないけど、おかげでパワー出てきた。本当にありがとうね!」
「友里さん・・・・・・」
「私、トイレ行ってから戻るね。彼と帰っていいよ。じゃね!」

友里は気をきかせてその場を去った。
芙実は理志を探した。理志はおじさんたちと楽器を持ちながらあれこれ話しをしている。
楽しそうにしているので、邪魔したら悪いと、一人で先にテントに戻ることにした。
雲が空を覆ってきていた。薄暗い中、浩之は一人キャンプチェアに座ってビールを飲んでいた。
芙実は何も言わずにテントに入るべきか少し迷って、とりあえず頭を下げて挨拶をした。

「あ・・・・・あの、友里さん、トイレに行ってます。すぐ戻ると思います」
「そうですか」

浩之は短く言うと、ビールを飲み始めた。
芙実が、じゃ・・・・とテントに入ろうとすると浩之が声をかけた。

「友里が戻るまで一緒に飲みませんか」
「あ・・・・・私、お酒だめで・・・・・」
「じゃあ、コーヒー淹れますよ」
「あー・・・・・・。では、いただきます」

芙実は自分の椅子を持ってきて、少し距離を保って座った。

(何か・・・・・・何か、この人の目を覚ます一発を言うことができたら・・・・・・!)

芙実は敵討ちの心境で浩之を見た。
そんなことは全く気がつかず、浩之はコーヒーを淹れている。

「ガーランドでしたっけ?上手くできました?」
「あ、はい。こんな感じで」

芙実は友里からもらったガーランドを広げて見せた。

「友里のわがままにつき合わせてしまって、申し訳ないです」
「いえいえ、楽しかったです。友里さん、とっても明るくて元気で、一緒にいると楽しいですね」
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