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女ざかりの恋の音色は
第3章 近づきたい
「ばれてないよぉ!ばれる機会ないもん!」
「んじゃ、あんたが物欲しそうな顔してんだよ。そろそろホンモノ入れてほしいわぁって顔。ポルチオ刺激すると、女性ホルモンばんばん出るらしいよ。無意識にいろんなもの放ってんじゃないの?」

芙実は慌てて鏡を見た。
そうなのだろうか?自分では気付かないうちに、欲求不満な部分が顔に出ていたのだろうか・・・・・・。

「まあ、でもいいじゃん。ライブ行けるの羨ましいよ~。もうこっち来てから全然行ってないよ、私。東京帰ろうかなぁ・・・・・・」
「でも、彼どうするの?」
「んー・・・・・・。なんかあいつ浮気してるっぽいんだよね。まだはっきりしないんだけど」
「ええ!?無職なのに??」
「そうだよ!だからさ、もしほんとに浮気してたら、そっち帰るわ。人生のうちの短い旬の時間、無駄にしたくないし」

芙実はそうなんだ・・・・・と呟いた。
あんなに熱烈に愛し合って、東京の生活を捨てて福岡まで追いかけていったのに、そういうこともあるのかなぁと少し複雑な気持ちだった。

「あんたもさ、女盛りの一番良い時期、ずーーっと男なしで生きてて大丈夫?あっというまに男に相手にされなくなるんだからね?そのおしゃれ眼鏡が云々じゃなく、そこから新しい人間関係が広がって良い人に出会うかもしれないんだから、うじうじしてないで飛び込んでいきなよ」

亜里沙の言うとおりだ。世の中の女の子たちが恋愛を一番楽しむであろう歳に自分はときめくこともほとんどない人生を送ってきてしまった。

「まずは純粋にライブ楽しんできなよ。せっかく行くのに、楽しまなきゃ損だよ」
「うん・・・・・・・。そうだね。わかった。ありがとう。まずは・・・・・・ライブ仲間が出来たと思って一緒に楽しんでくる。また結果報告するね」

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