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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編  完結】眩い光りの中で
「・・・・・しっかし、理志くんはホント~~にイイ男すぎる!!芙実!いいか!?ま・・・・・っちがいなく女が寄ってくるから!お前!ちゃんと払いのけるんだぞ!!」

父はたいして強くもない酒をがぶがぶ飲んで、あっという間に酔っぱらっいていた。

「お父さん・・・・・もうやめといたら・・・・・・・」
「’お父さんの好きにしてください’ってさぁ~・・・・・。こんな男前に言われたら・・・・・ええ!?ってなるよ!お父さん、ドキーッ!!っとなっちゃったもん!」
「おと・・・・・」

父は隣に座った理志の肩をガシっと抱いて、じー・・・・・と顔を見た。

「・・・・・うん?ええ??ちょ、ちょちょ、ちょっと!てことは、理志くんが俺の息子!?今度っから、’俺の息子です’って言っていいの!?」
「はい。言ってください」

理志は、くくく・・・・・と笑いを堪えながら言った。

「いやいや、娘婿ですって言うものでしょ!?」

芙実の突っ込みも聞かずに、父は理志にからみ続けた。
こんなに酒癖の悪い父を見たのは始めてだった。

「じゃ、じゃあさ、じゃあさ、今度さ、ライブハウスでやるのよ。ビートルズね。その時さ、何曲か弾いてよ。ほんとに。君が出たらお客さん喜ぶからさぁ」
「50過ぎのおじさんバンドの中に理志さんいたらおかしいでしょ!理志さん、気にしないでください。もーお父さん酔っぱらいすぎ!」

父を制する芙実に向かって、理志が大丈夫と目配せした。

「やってみたいです。せっかく練習してるのに、披露する機会ないんで。ぜひ呼んでください」
「あ、そお!?そーお!?じゃー、曲!決めたら、連絡するから!れれ、連絡先、交換しよ!」

そう言って自分の携帯を探しに立ちあがった瞬間ふらふらと倒れてしまった。

「お父さん!」

理志が慌てて抱きかかえると、父は完全に眠りに堕ちていた。

「・・・・・・寝てる」
「もー!なんなのよ~」

母が笑いながら隣の和室に布団を敷いた。
理志と芙実で協力して父を布団まで運ぶ。
父が完全に眠りにおちているのを見て、母と理志は苦笑した。
芙実は恥ずかしくてやり切れず、二人を促してリビングに戻った。
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