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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編 完結】眩い光りの中で
「・・・・・・芙実のお父さん、思ってたのと全然違ったなあ」
「えっ!?そ、そうですか??」
「うん・・・・・・。なんていうか、もっとガチガチに厳しいかと思ってたけど、可愛い人だね」
(可愛い・・・・・!?)
芙実は驚いて思わず前方から目線を離してしまいそうになった。
厄介な人だとは何度も思ってきたが、可愛いと思ったことなどなかった。
理志の感覚はやっぱり少し変わってる。
「ど、どこが可愛いかったんでしょうか」
「あ、ごめん。可愛いとか、お父さんに向かって。うーん・・・・・・でも、芙実に感じる‘かわいさ’と同じものを感じたんだよなぁ。やっぱり親子だよね。焦るとことか、恥ずかしがるとことか、すごく似てた」
「・・・・・・・・・・」
芙実は良く父に似ていると言われてきたが、イマイチしっくりきていなかった。認めたくなかったと言った方が近いかもしれない。理志がそう言うなら、やっぱりそうなのだろう。
芙実はもはや遺伝子から逃れようとすることを諦めた。
「やっぱり、似てますかね・・・・・・」
「なんでそんな残念そうなの。良いお父さんじゃない。すごく芙実のこと大事に想ってる」
「それは理志さんが父の下で育ってないからです。過保護すぎて、やりたいこと何でも制限されるのって、やっぱり嫌になりますよ」
「うーん・・・・・・。そうね。俺だったら早いうちに出ていってるかもね。まあ、でも、お父さんの気持ちもわかるよ」
先ほど、父と理志で話していた光景が頭に浮かぶ。
芙実のことを、自分の命より大事だと言っていた父。
愛し方が過剰すぎて嫌になることの方が多かったけど、それだけじゃなかった。
休みの日は沢山遊んでくれたし、絵本も母より父の方がいっぱい読み聞かせてくれた。病気になったら、つきっきりで看病してくれた。
幼い頃からの思い出が一気に蘇り、芙実の心がきゅ・・・・・と締め付けられた。
駅に到着する。理志がハンドルを握っていた芙実の手を取って、甲にキスする。
「今日の俺、合格?」
理志の柔らかい唇を手の甲に感じて、急にドキドキしてくる。
「も・・・・・もちろんです・・・・・・・!父も母も・・・・・理志さんのこと、すごく気に入ってました」
「良かった」
「えっ!?そ、そうですか??」
「うん・・・・・・。なんていうか、もっとガチガチに厳しいかと思ってたけど、可愛い人だね」
(可愛い・・・・・!?)
芙実は驚いて思わず前方から目線を離してしまいそうになった。
厄介な人だとは何度も思ってきたが、可愛いと思ったことなどなかった。
理志の感覚はやっぱり少し変わってる。
「ど、どこが可愛いかったんでしょうか」
「あ、ごめん。可愛いとか、お父さんに向かって。うーん・・・・・・でも、芙実に感じる‘かわいさ’と同じものを感じたんだよなぁ。やっぱり親子だよね。焦るとことか、恥ずかしがるとことか、すごく似てた」
「・・・・・・・・・・」
芙実は良く父に似ていると言われてきたが、イマイチしっくりきていなかった。認めたくなかったと言った方が近いかもしれない。理志がそう言うなら、やっぱりそうなのだろう。
芙実はもはや遺伝子から逃れようとすることを諦めた。
「やっぱり、似てますかね・・・・・・」
「なんでそんな残念そうなの。良いお父さんじゃない。すごく芙実のこと大事に想ってる」
「それは理志さんが父の下で育ってないからです。過保護すぎて、やりたいこと何でも制限されるのって、やっぱり嫌になりますよ」
「うーん・・・・・・。そうね。俺だったら早いうちに出ていってるかもね。まあ、でも、お父さんの気持ちもわかるよ」
先ほど、父と理志で話していた光景が頭に浮かぶ。
芙実のことを、自分の命より大事だと言っていた父。
愛し方が過剰すぎて嫌になることの方が多かったけど、それだけじゃなかった。
休みの日は沢山遊んでくれたし、絵本も母より父の方がいっぱい読み聞かせてくれた。病気になったら、つきっきりで看病してくれた。
幼い頃からの思い出が一気に蘇り、芙実の心がきゅ・・・・・と締め付けられた。
駅に到着する。理志がハンドルを握っていた芙実の手を取って、甲にキスする。
「今日の俺、合格?」
理志の柔らかい唇を手の甲に感じて、急にドキドキしてくる。
「も・・・・・もちろんです・・・・・・・!父も母も・・・・・理志さんのこと、すごく気に入ってました」
「良かった」