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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編 完結】眩い光りの中で
玄関から入って右側に二階へ続く階段がある。理志は左側の通路を通っていった。
理志の後に続き、リビングへと入る。
「お父さん!芙実ちゃん!来たわよ!」
リビングの奥の庭に出る縁側の椅子に座って新聞を読んでいた理志の芙実がチラとこちらを見た。
「おお。うん。はいはい。いらっしゃい」
理志の父はゆっくり立ち上がると芙実に近づいて軽く頭を下げた。
中年らしいお腹の、恰幅の良い人だった。和やかな表情で、ニコニコと芙実を見ている。
「理志の父の蒼井孝志です。よろしく」
「か、樫野芙実と申します。本日は・・・・・・・」
「理志!お茶運ぶの、ちょっと手伝って!」
理志の母が理志を呼ぶ大きな声に遮られて、またもや芙実は挨拶のタイミングを失った。
芙実はもう一度挨拶にチャレンジするべきか、もはやタイミングとして遅すぎるのではないかと内心パニックになり、どうしたらいいのかわからなくなって、咄嗟に手にしていた手土産を孝志に手渡した。
「す、すみません。これ、チョコレートケーキです。理志さんから、お好きだとお聞きしまして・・・・・・」
「これはこれは。ありがとう」
「お口に合うかどうか・・・・・・」
「チョコケーキ食べて、超好景気」
「えっ・・・・・・・・」
芙実は一瞬、孝志が何を言ったのか理解できずに固まった。
「チョコケーキ食べて、超好景気」
「はぁ・・・・・・・・」
理志が見かねて二人の間に入ってくれた。
「いやいや、芙実、困惑してるから。やめてあげて」
「ごめんね~。芙実ちゃん。お父さん、くだらないダジャレ好きでね~」
「ダジャレ・・・・・・・」
芙実は言われてようやくダジャレだったことに気がついた。
孝志がこちらを見て芙実の反応を待っている。
「す、すすすみません!あまりに高度なダジャレで気づきませんでした!」
慌てて弁解する芙実を見て、理志と理志の母が噴き出す。
「ちょ・・・・・高度って・・・・・・・」
「お父さん、良かったわねえ!いっつもくだらないとか、無視されるばっかりのダジャレが褒められたわよ」
孝志はまんざらでもないようにニコニコと頷いた。
「そうなんだよ。私のダジャレは難しくてちょっと理解に時間がかかるのがポイントなんだ」
「さあさあ、芙実ちゃん。こっちに座って」
芙実は戸惑いが消えないまま、理志の母に促されてソファに座った。
理志の後に続き、リビングへと入る。
「お父さん!芙実ちゃん!来たわよ!」
リビングの奥の庭に出る縁側の椅子に座って新聞を読んでいた理志の芙実がチラとこちらを見た。
「おお。うん。はいはい。いらっしゃい」
理志の父はゆっくり立ち上がると芙実に近づいて軽く頭を下げた。
中年らしいお腹の、恰幅の良い人だった。和やかな表情で、ニコニコと芙実を見ている。
「理志の父の蒼井孝志です。よろしく」
「か、樫野芙実と申します。本日は・・・・・・・」
「理志!お茶運ぶの、ちょっと手伝って!」
理志の母が理志を呼ぶ大きな声に遮られて、またもや芙実は挨拶のタイミングを失った。
芙実はもう一度挨拶にチャレンジするべきか、もはやタイミングとして遅すぎるのではないかと内心パニックになり、どうしたらいいのかわからなくなって、咄嗟に手にしていた手土産を孝志に手渡した。
「す、すみません。これ、チョコレートケーキです。理志さんから、お好きだとお聞きしまして・・・・・・」
「これはこれは。ありがとう」
「お口に合うかどうか・・・・・・」
「チョコケーキ食べて、超好景気」
「えっ・・・・・・・・」
芙実は一瞬、孝志が何を言ったのか理解できずに固まった。
「チョコケーキ食べて、超好景気」
「はぁ・・・・・・・・」
理志が見かねて二人の間に入ってくれた。
「いやいや、芙実、困惑してるから。やめてあげて」
「ごめんね~。芙実ちゃん。お父さん、くだらないダジャレ好きでね~」
「ダジャレ・・・・・・・」
芙実は言われてようやくダジャレだったことに気がついた。
孝志がこちらを見て芙実の反応を待っている。
「す、すすすみません!あまりに高度なダジャレで気づきませんでした!」
慌てて弁解する芙実を見て、理志と理志の母が噴き出す。
「ちょ・・・・・高度って・・・・・・・」
「お父さん、良かったわねえ!いっつもくだらないとか、無視されるばっかりのダジャレが褒められたわよ」
孝志はまんざらでもないようにニコニコと頷いた。
「そうなんだよ。私のダジャレは難しくてちょっと理解に時間がかかるのがポイントなんだ」
「さあさあ、芙実ちゃん。こっちに座って」
芙実は戸惑いが消えないまま、理志の母に促されてソファに座った。