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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編 完結】眩い光りの中で
「あれ?私、名前、言ったっけ?」
理志の母が、理志に尋ねる。
「さあ?」
理志は面倒くさそうに応えながら、木製のラックにかかっていたハンガーを手に取ると芙実のコートをかけた。
「理志の母の環です。環八の環で‘たまき’です。」
理志の母が頭を下げる。芙実も慌てて頭を下げた。
「本日はお時間を作っていただき、ありがとうございます」
芙実はやっと挨拶が言えたことに安堵した。
「あらあら、ご丁寧に。いいのよ、そんなに硬くならなくて」
芙実は出された紅茶を受け取って、一口啜った時だった。
玄関のドアが開いた音がしたと思ったら、怒声が聞こえた。
「こらあぁ!!傘たたみなさい!!」
芙実はびっくりして紅茶を噴き出してしまいそうになって、慌てて飲み込んだ。
「おばーちゃーん!!」
嵐のような足音と共に、二人の子どもが入ってきた。
二人とも環の元にかけよって抱きついた。環がいらっしゃいと頭を撫でる。
「は?姉ちゃん呼んだの?」
理志が顔をしかめて言った。
「何よ。来たら悪い?」
緑のロングスカートに黒のぴったりしたトップス姿の背の高い女性が現れた。
艶やかで綺麗な茶色の髪を無造作にお団子にしていて、赤いリップが印象的な美人だった。
理志の姉だとすぐにわかった。とても良く似ている。
「せめて夜にしてよ」
理志はため息を吐きながら立ち上がると子どもたちのところに行った。
「ほら、二人とも。ちゃんとご挨拶して」
理志が子どもの手を引いて芙実のところに戻ってきた。
二人とも理志の姉の良く似ている。丸く大きな目と、綺麗な形の鼻をしている。
「こんにちは!」
「こんにちは。はじめまして。樫野芙実です」
芙実は可愛らしい二人を見て少し緊張を解いた。
子どもたちは挨拶が終わった瞬間にドタドタと走り出し、別の部屋へと行ってしまった。
「はじめまして。理志の姉の朋華です」
朋華が丁寧にお辞儀した。芙実も立ち上がって頭を下げる。
「樫野芙実です。宜しくお願いします」
「騒がしくてごめんなさいね。でも、どうしても芙実ちゃんに会いたくて」
「私もお姉さんにお会いしたかったです・・・・・・・!あの、キャンプの道具貸していただいて、ありがとうございました」
「あー、うんうん。また使いたい時はいつでも言ってね」
朋華は微笑むと、芙実の隣に座った。
理志の母が、理志に尋ねる。
「さあ?」
理志は面倒くさそうに応えながら、木製のラックにかかっていたハンガーを手に取ると芙実のコートをかけた。
「理志の母の環です。環八の環で‘たまき’です。」
理志の母が頭を下げる。芙実も慌てて頭を下げた。
「本日はお時間を作っていただき、ありがとうございます」
芙実はやっと挨拶が言えたことに安堵した。
「あらあら、ご丁寧に。いいのよ、そんなに硬くならなくて」
芙実は出された紅茶を受け取って、一口啜った時だった。
玄関のドアが開いた音がしたと思ったら、怒声が聞こえた。
「こらあぁ!!傘たたみなさい!!」
芙実はびっくりして紅茶を噴き出してしまいそうになって、慌てて飲み込んだ。
「おばーちゃーん!!」
嵐のような足音と共に、二人の子どもが入ってきた。
二人とも環の元にかけよって抱きついた。環がいらっしゃいと頭を撫でる。
「は?姉ちゃん呼んだの?」
理志が顔をしかめて言った。
「何よ。来たら悪い?」
緑のロングスカートに黒のぴったりしたトップス姿の背の高い女性が現れた。
艶やかで綺麗な茶色の髪を無造作にお団子にしていて、赤いリップが印象的な美人だった。
理志の姉だとすぐにわかった。とても良く似ている。
「せめて夜にしてよ」
理志はため息を吐きながら立ち上がると子どもたちのところに行った。
「ほら、二人とも。ちゃんとご挨拶して」
理志が子どもの手を引いて芙実のところに戻ってきた。
二人とも理志の姉の良く似ている。丸く大きな目と、綺麗な形の鼻をしている。
「こんにちは!」
「こんにちは。はじめまして。樫野芙実です」
芙実は可愛らしい二人を見て少し緊張を解いた。
子どもたちは挨拶が終わった瞬間にドタドタと走り出し、別の部屋へと行ってしまった。
「はじめまして。理志の姉の朋華です」
朋華が丁寧にお辞儀した。芙実も立ち上がって頭を下げる。
「樫野芙実です。宜しくお願いします」
「騒がしくてごめんなさいね。でも、どうしても芙実ちゃんに会いたくて」
「私もお姉さんにお会いしたかったです・・・・・・・!あの、キャンプの道具貸していただいて、ありがとうございました」
「あー、うんうん。また使いたい時はいつでも言ってね」
朋華は微笑むと、芙実の隣に座った。