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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編  完結】眩い光りの中で
「わー・・・・!可愛い・・・・・・!」

芙実は素直な感想を言ったのだが、理志と朋華は顔を合わせて驚いている。

「でしょう!?」

環が満面の笑みで言った。

「はい。あのお饅頭のやつとか、可愛いですね」

朋華が信じられないと首を振った。

「ちょっとちょっと、お母さんのセンスに同意する子、初めて見たわ・・・・・・」
「芙実、正直に言っていいよ。センス無いって」
「え?え?だめですか??あの、玄関の猫の置物もかわいいなーって思ってたんですけど・・・・・・」

芙実はセンスの無さが良くわからず、困惑した。

「ほらぁ~。やっぱり!ね?可愛いでしょ!?」

環は嬉しそうにみんなを見た。
孝志はニコニコとその様子を見ている。

「・・・・・・・この二人にドレス選ばせたら危険だわ!私、絶対一緒に行く!」

朋華は芙実に向き直って言った。

「芙実ちゃん、うちの母はね。センスが酷いったらないのよ!私たちに買ってくる服とか、ピエロですか?みたいな服買ってくるし、海外旅行のお土産とか、なぜわざわざそれ選んだ!?みたいの買ってくるのよ。一生に一度の大事な結婚式のドレス選びに連れていったら、もうどんなことになるか考えただけで恐ろしいわ!ここは『お気持ちだけいただいておきます』って言うのよ!」

本人に丸聞こえのアドバイスを聞いて、芙実はまたもや困惑した。

「まあまあ、いいじゃないか。お母さんと気が合うってことは良いことだよ」

孝志がニコニコしながら言った。
その笑顔は芙実をホッとさせた。

「芙実さん。家内も娘も、色々騒がしくてすまないね。でも、みんなあなたが理志のお嫁さんになってくれるのが嬉しいんです。どうぞこれからよろしくね」

改めて挨拶されて、芙実は姿勢を正した。

「こちらこそ、宜しくお願いします」

そう言って頭を下げる。

「胃は痛いが、二人の結婚を祝いたい」
「え?」

(胃は痛い・・・・・・・・?)

芙実は慌てて孝志に尋ねた。

「だ、大丈夫ですか!?お休みになったほうが・・・・・・・」
「もー、お父さん!変なダジャレやめてあげて!本気にしちゃうでしょ!」
「えっ・・・・・・??」

(’胃は痛い’が、二人の結婚を’祝いたい’・・・・・・・・)

芙実はもう一度孝志が言った言葉を反芻してハッとする。
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