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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編  完結】眩い光りの中で
「お父さん・・・・・・・すごい・・・・・・・・!」

芙実が羨望の眼差しを孝志に向けると、孝志はハッハッハッ!と嬉しそうに笑った。
理志が大きなため息をついた。

「・・・・・・・芙実、飯出来るまで俺の部屋行こう」

そう言って芙実の手を取る。

「え・・・・・・・。あ、私も何かお手伝いします・・・・・・・!」
「いいのよ。もうほとんど準備してあるから、ゆっくりしてきて」

環に言われて戸惑っていると、朋華が助け舟を出してくれた。

「芙実ちゃん、気にしなくていいよ。本当に。もし何か手伝ってほしかったら呼ぶから」
「・・・・・・・・はい」

芙実はペコと頭を下げてリビングを出た。
ホっと小さく息を吐く。

「そんな風にずっと力んでたら、疲れちゃうよ。もっと気楽にして」
「無理です~~・・・・・・」

理志が先導して部屋に向かう。

「どーぞ」

理志の部屋はまるで今もそこで暮らしているかのような状態だった。
本棚には音楽雑誌や楽譜が綺麗に整頓され、一番上に写真がいくつか飾られていた。

(ここが理志さんの部屋かぁ・・・・・・・・)

芙実は理志が育った部屋にいることが嬉しくなって部屋をじっくり見まわした。

「あ・・・・・・・・」

本棚に飾られている写真の一つに目が止まる。
バンド仲間との写真だった。
かなり明るく髪を染めて、パーマをかけている。今よりずっと若く可愛らしく見えた。

「若い・・・・・・・!可愛い・・・・・・・!」
「そお?この時、めちゃくちゃ愛想のない奴だったけどな。目つき、超悪いじゃん」
「その目つきの悪さが可愛いです!」

隣の写真に目を移す。
綺麗な初老の女性が縁側に置いてあるゴージャスな籐の椅子に腰かけて外をぼんやりと見ている。レトロなワンピースに、レトロなスカーフを頭に巻いたとってもお洒落な女性だった。爪には真っ赤なマニキュアが塗られ、大きなサングラスをかけている。

「これ、八重子さん。俺の母方のおばあちゃん。おばあちゃんって呼ぶの嫌がって、八重子さんって呼ばされてた」
「へー・・・・・・・。すごくお洒落な方ですね・・・・・・・」
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