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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編  完結】眩い光りの中で
朋華がにこにこしながら芙実とスカーフを交互に見ている。

「・・・・・・・・・・」

(本当に・・・・・・いいのだろうか・・・・・・・・・)

「芙実ちゃん、改めてだけど・・・・・・理志を選んでくれてありがとう」

朋華が優し眼差しで芙実を見ながら言った。

「え・・・・・・・?」
「理志って、面倒じゃない?」
「面倒・・・・・?いいえ、全然そんなこと無いです・・・・・・!!」
「そお?・・・・・・機嫌損ねないように気使ったりとか、ない?」
「大丈夫です。あの・・・・・・とっても優しくしてもらってます。むしろ、理志さんの方がいろいろ気を使ってると思います。私の方が、もう断然面倒な人間なので・・・・・・・」

芙実は心の底から思っていることを口にした。

「そっかー・・・・・・・。芙実ちゃんはやっぱり特別なんだね」

朋華はにやにやするのを我慢しているような笑顔になって言った。
芙実は恥ずかしくなって誤魔化すために話題を探した。

「あ、あの・・・・・・理志さんて、やっぱり小さい頃からモテてたんでしょうか・・・・・・」
「うーん、そうだねえ・・・・・・。モテるっていうか・・・・・・まあ、見た目はそこそこだから、女の子は良く家に来てたけどね」

朋華がうんざりしたような表情をしている。

「正直、姉の私としては迷惑なことの方が多かったのよねー。バレンタインの時とかさ、家の前に行列できるわけよ。他校の子も来てね。そんでまたあいつが出ないのよ!友達と遊びに行ってていないとか。
そうすると女の子たちが泣くんだよね。せっかく手作りで作ったのにって。チョコだけじゃなくてさ。マフラーとかセーターとかすごいの編んできてる子とかもいて。
家の前だし、ほっとくわけにいかないし、私が受け取って『ちゃんと本人に渡すね』とか言ってなだめて帰ってもらうという」
「それは・・・・・・大変ですね・・・・・・・」
「私の友達も、何人も理志にフラれてさ。それで友達失ったことも一度や二度じゃないよ。特別女の子に優しいわけじゃないのにねー」

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