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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編  完結】眩い光りの中で
「もうさ。幼稚園の時からよ?理志の隣に私が座る!とかで女の子たちが掴みあいの喧嘩してさぁ。お互い怪我しちゃって。お母さんが何故か謝りに行ってたじゃない」
「そんなこともあったかしらねぇ」
「‘うちの息子のせいで、お宅の娘さんが喧嘩して怪我してしまったようで・・・・・・申し訳ございません・・・・・・’って、意味わかんないわよね」
「そんな昔の話、やめろよ。だいたい俺は記憶にないし」

理志は心底イヤそうに言った。

「そんなことどうでもいいのよ。芙実ちゃんがお嫁さんになってくれて嬉しい。ただそれだけ」

環が褒めてくれればくれるほど、芙実は恐縮していた。果たして自分はそこまで良い嫁でいられるのかも自信がない。

「あの・・・・・・!私、本当にいたらない所ばかりで・・・・・・でも頑張ります・・・・・・!」

力んで答える芙実を見て環が笑った。

「頑張らなくていいのよ。そんなの疲れちゃうわ。理志と仲良くしてくれたら、もうそれだけで親としては何も言うことないわ。理志の方がいたらないことだらけで申し訳ないくらいよ。理志のこと、お願いね」
「ほんとほんと、ありがたいね。理志、大事にしなさいよ!」

朋華が理志の背中をバシ!と叩いた。

「いって・・・・・・。そんなのわかってるよ」
「こいつに言えないような悩みとか、いつでも聞くから呼んでね!」
「あのさ、矛盾してない?姉ちゃんいっつも旦那実家とはほどよく距離を置いた方が上手くいくって言ってるじゃん」
「そうそう、距離感大事!旦那実家との付き合い方、レクチャーしてあげるね!」
「そうね!お母さんも勉強しておかないと!」

環が両手でガッツポーズをして声を上げた。

「待って、この会話おかしくない?」

明るく気さくな朋華が話題を提供して、環の天然発言にみんなが突っ込みを入れて笑う。
孝志も日本酒をちびちび飲みながらニコニコしている。
温かな雰囲気に、芙実は胸が熱くなり目の奥が熱くなる。
皆が受け入れてくれることが嬉しかった。

「芙実、どうしたの?大丈夫?」

泣きそうになっている芙実を見て、理志が心配そうに声をかけた。

「す、すみません・・・・・・。嬉しくて・・・・・・・」
「心配する必要、なかったでしょ?」
「はい・・・・・・・。もう、本当にありがたいです・・・・・・・」

理志がテーブルの下で芙実の手をきゅっと握った。
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