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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編 完結】眩い光りの中で
確かに二週間なんて普段暮らしている中ではあっという間だ。
そんなに悲観的になるような時間じゃない。
そう自分に言い聞かせるが、芙実の心は重たかった。
同じ会社で働いていることもあって、付き合い始めてからほぼ毎日顔を合わせてきた。
理志が遠くへ行ってしまうと想像するだけで、心も体も半分欠けてバランスを崩してしまいそうになる。
それは実際に理志が出張に行くと、現実のものとなった。
理志は忙しいのか、ほとんど電話をしてこなかった。
夜中に今から寝るとメッセージが入っているから、おそらく芙実を起こしたら悪いという配慮から電話をかけてこないのだと想像できたが、芙実にしてみたら夜中でもいいから声が聞きたかった。
あまりの寂しさに、芙実は何をするにも覇気を無くしていた。
仕事は指示通りのことはこなすが、食欲もあまり無いし、ライブに行きたいとも思わない。
まさに‘心にぽっかり穴があいたよう‘な日々を過ごしていた。
「樫野さん、なんか元気ないね。何かあった?病人みたいに顔色悪いよ?」
理志が出発して一週間後の昼休み、芙実はゆかりとランチを食べに会社の近くのカフェに来ていた。ここ最近、お弁当を作る元気がなく、コンビニ食になっている芙実にゆかりが声をかけてくれたのだった。
「あ・・・・・・。いえ・・・・・・・・」
芙実は顔色が悪いと言われて自分で頬を撫でた。
「彼氏が出張で寂しくなっちゃったかー」
「え・・・・・・・?」
「蒼井さんに会えなくて寂しいんでしょ?」
「!?」
驚いて何も言えないでいる芙実を見て、ゆかりが二ヒヒと笑った。
「気づくに決まってるじゃん!もう、あの時から知ってるよ」
「あ、あの時・・・・・・・?」
「送別会で!うちらが樫野さんにえっちなサイトのことで絡んだじゃない?あ・・・・・・あの時はごめんね?あの時、蒼井さんが樫野さんのこと庇ったじゃない。もうあれでピーンときたもん」
「・・・・・・・・・!」
まさかそんな早い段階でバレているとは思わず、芙実は何を言っていいのか混乱した。
「大丈夫。私以外の人は知らないはず。私、誰にも言ってないよ。私だったら言ってほしくないから。意外と口硬いでしょ?これからも言うつもりないから安心して」
「そ・・・・・・それは・・・・・・・。その・・・・・・・・ありがとうございます・・・・・・」
そんなに悲観的になるような時間じゃない。
そう自分に言い聞かせるが、芙実の心は重たかった。
同じ会社で働いていることもあって、付き合い始めてからほぼ毎日顔を合わせてきた。
理志が遠くへ行ってしまうと想像するだけで、心も体も半分欠けてバランスを崩してしまいそうになる。
それは実際に理志が出張に行くと、現実のものとなった。
理志は忙しいのか、ほとんど電話をしてこなかった。
夜中に今から寝るとメッセージが入っているから、おそらく芙実を起こしたら悪いという配慮から電話をかけてこないのだと想像できたが、芙実にしてみたら夜中でもいいから声が聞きたかった。
あまりの寂しさに、芙実は何をするにも覇気を無くしていた。
仕事は指示通りのことはこなすが、食欲もあまり無いし、ライブに行きたいとも思わない。
まさに‘心にぽっかり穴があいたよう‘な日々を過ごしていた。
「樫野さん、なんか元気ないね。何かあった?病人みたいに顔色悪いよ?」
理志が出発して一週間後の昼休み、芙実はゆかりとランチを食べに会社の近くのカフェに来ていた。ここ最近、お弁当を作る元気がなく、コンビニ食になっている芙実にゆかりが声をかけてくれたのだった。
「あ・・・・・・。いえ・・・・・・・・」
芙実は顔色が悪いと言われて自分で頬を撫でた。
「彼氏が出張で寂しくなっちゃったかー」
「え・・・・・・・?」
「蒼井さんに会えなくて寂しいんでしょ?」
「!?」
驚いて何も言えないでいる芙実を見て、ゆかりが二ヒヒと笑った。
「気づくに決まってるじゃん!もう、あの時から知ってるよ」
「あ、あの時・・・・・・・?」
「送別会で!うちらが樫野さんにえっちなサイトのことで絡んだじゃない?あ・・・・・・あの時はごめんね?あの時、蒼井さんが樫野さんのこと庇ったじゃない。もうあれでピーンときたもん」
「・・・・・・・・・!」
まさかそんな早い段階でバレているとは思わず、芙実は何を言っていいのか混乱した。
「大丈夫。私以外の人は知らないはず。私、誰にも言ってないよ。私だったら言ってほしくないから。意外と口硬いでしょ?これからも言うつもりないから安心して」
「そ・・・・・・それは・・・・・・・。その・・・・・・・・ありがとうございます・・・・・・」