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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編  完結】眩い光りの中で
「私を好きになってくれる人はいるよ?でも、私が本気で好きになれる人がなかなかいないんだよね」

ゆかりはコーヒーを飲んで大袈裟にため息をついた。
モテる人は、モテるなりの悩みがあるのだなと芙実は思った。

「私、おかしいのかな?とか思わなくて大丈夫だよ。今まで近くにいたのに、急に目の前からいなくなると、そりゃ寂しくなるし不安になるよ。普通のことだから」
「私・・・・・・あまり男の人と付き合ったことがないので・・・・・・・こういう時、どうしたらいいのかわからなくて・・・・・・・」
「どうしたらって、寂しいよーって毎日電話したら?」
「そ、それは・・・・・・・。お仕事頑張ってる時に、そういうことを言われるのは困るかなと・・・・・・・」
「そんなことないよ。寂しいって気持ち一人で耐えてるのなんて辛いだけじゃん。恋人なんだから共有しないと」
「・・・・・・・・・」

ゆかりは大きなため息をついた。

「迷惑かけたくない・・・・・・か。じゃあ、あとは一つしかないわね。解決策」
「・・・・・・・解決策?あるんですか!?」

芙実は身を乗り出してゆかりに詰め寄った。

「解決策っていうか・・・・・・。だいたいさ、男に気持ちが集中しすぎなのが原因じゃない?だからね、無理矢理にでも反らすのよ」
「無理矢理、反らす・・・・・・・」
「そうそう。失恋した女子とかが良くやるやつ。男はもういい!自分磨きじゃ!って。ねえ、どうせなら私と一緒に自分磨きしない?」
「自分磨き?」
「私ね、ハイステイタス限定の結婚相談所に登録したの!若さを売りにできるうちにさっさと結婚しようと思って。私、今の仕事・・・・・・っていうか、働くのあんまり向いてないんだと思う。小さい頃から夢は‘お嫁さん’だったし。
だからね、今、お料理教室行って、英会話にも行ってて。マナー教室も。あと、字が綺麗な方がいいと思って硬筆にも通ってるの。ほら、子どもを一流私立幼稚園入れる時の願書とか、綺麗な字じゃなきゃだめでしょ?」
「・・・・・・・すごい、そこまで考えて・・・・・・・」
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