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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編  完結】眩い光りの中で
「結婚も就職活動と一緒だよ!しっかり準備しておかないと、採用されないってわかったの。樫野さんはお料理得意?」
「得意というか・・・・・・普通に作れるくらいで、すごく凝ったものとかは作ったことないです」
「普通に作れるなんてすごいよー。私、リンゴの皮もまともに剥けなかったからさ。盛り付けとか勉強になるよ!一緒に行かない?」

(お料理教室・・・・・・・・それなら今後も役に立つかも・・・・・・・)

体を壊したから自炊するようになったが、母から教えてもらった以上のことはできなかった。
理志と結婚するにあたって、行ってみるのも良いかなと芙実は思った。

「・・・・・・・お料理教室、行ってみたいです」
「ほんと?やったー!行こう行こう!」

ゆかりは嬉しそうに芙実の手を取った。芙実は少し気持ちが明るくなった気がしてゆかりの手をぎゅっと握った。

「あとね、中身だけじゃなくて体も綺麗にしてるの。ジムに行ってエステ行って・・・・・」
「すごい・・・・・・!」
「今度良いとこ紹介してあげる!高額エステとかなじゃいから安心して。私の友達のお店なんだけど・・・・・・・。ふふ・・・・・・。蒼井さんも喜ぶと思うなー」
「???」
「あー、なんかもっと色々話したい!ねえ、今日うちに泊まりにこない!?明日、予定ある?」
「え・・・・・・!いいえ、無いです。無いですけど・・・・・良いんですか?」
「来て来て!お酒とおつまみ用意して、お泊まり会しよー!」

(お泊まり会・・・・・・・・)

楽しそうな響きに芙実の心がパッと明るくなった。

「私ね、軽い付き合いの友達は沢山いるけど、こうやって婚活に燃えてるかっこ悪い姿とか見せられる友達、あまりいないんだ。頭良くてバリバリ働いている子は私のこと見下してるし、同じように可愛いだけで生きてきた子は、いかに自分が優位に立つかのマウントに必死だし。最近は会って話してても疲れて虚しくなっちゃうんだよね。
・・・・・・樫野さんとは、なんか・・・・・・実家の田舎で暮らしてた頃の自分に戻って、かっこつけずに話が出来て、すごくラク!」
「あ・・・・・・・。私も、花森さんのお話は本当に参考になって・・・・・・自分には無いものを持ってらっしゃるから・・・・・・すごく刺激を受けてます」
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