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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編  完結】眩い光りの中で
両親の顔合わせのこと、結婚式のこと、新婚旅行のこと・・・・・・。
これからの二人の未来について話しているのに、芙実の心はどこか靄がかっているような状態だった。
理志が前もって色々調べて予約してくれただけあって、料理はどれも美味しかった。最後のデザートが運ばれる前にすでにお腹いっぱいだった。

「あの・・・・・・!クリスマスプレゼントを渡すタイミングはいつでしょうか!?」

芙実はすっかりプレゼントの存在を忘れていた。

「特に決まってないんじゃない?今、交換する?」
「はい・・・・・!」

芙実は緊張しながら、バッグからプレゼントを取りだした。
あれこれ考えて、色んな人に助言ももらったが、最後は自分で決めた。人生で初めての彼氏へのクリスマスプレゼントだから、気合が入った。

「あの、気に入ってもらえるか自信が全くないのですが・・・・・・」

理志は黙って受け取ると、躊躇なくプレゼントを開けた。
コードバンの光沢のあるキャメルの手帳カバーだった。

「・・・・・・手帳カバー?」
「はい・・・・・・。あの、本当に何がいいのかわからなくて・・・・・・・。あさってな発想だったら、すみません・・・・・・・」
「いや・・・・・・すごくうれしいけど、これ、相当高かったでしょ?」
「実はそうなんです・・・・・!でも、一目ぼれっていうか、理志さんに似合いそうだなって思ったら、もう他のものが考えられなくなって・・・・・」

理志は手帳カバーをじっと見つめながら、手触りを確認している。
気に入ってもらえなかったのだろうか。芙実は理志に似合うと思ったが、本当は全然的外れだったのかもしれない。
芙実は不安になって理志の表情を探った。
プレゼントに添えたメッセージカードを手に取り、黙ったままそれを読んでいる。
理志が顔をあげて芙実をじっと見つめた。
まっすぐに向けられた眼差しは真剣そのもので、芙実はドキリとした。

「・・・・・・芙実、ありがとう。一生大事にする」

芙実は、その言葉を聞いてホッとすると、照れ笑いした。
一生大事にすると言ってくれて嬉しかった。

「なんか、こんな凄いプレゼントの後に申し訳ないけど・・・・・・・」

理志はそう言うと、細長い箱を取りだして芙実に手渡した。
人生で初めての彼氏からのクリスマスプレゼントだ。自然と顔が綻ぶ。
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