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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編  完結】眩い光りの中で
「開けていいですか?」
「どーぞ」

芙実はゆっくりとリボンをほどいて、箱を開けた。
シンプルな一粒ダイヤのゴールドのチェーンのネックレスだった。

「・・・・・・・・・・」

仄かな明かりを受けて煌めくダイヤを見て、芙実はまたもや泣きそうになってしまった。
前に芙実がネックレスの重ねづけをしてみたいが、何をどう選べばいいのかわからないという話を覚えていてくれたことがすぐにわかった。

「今日つけてるそれに、合うと思うんだけど。つけてみて」

芙実は黙って手に取ると、言われた通りにつけてみた。
元々つけていたネックレスはゴールドの細いチェーンで、等間隔に小さな丸玉が装飾されたシンプルなものだった。
理志がくれたネックレスも同じく細いチェーンのもので、二つ重ねてつけても控えめでとてもバランスがよかった。

「うん。いいね」

理志が優しい眼差しでこちらを見ている。
芙実は何も言えずにじっと理志を見つめ返した。

「芙実のプレゼントに比べたら安いんだけど。ごめんね」

芙実はとんでもないと首を横に振った。
芙実は指先でネックレスに触れてようやく口を開いた。

「ありがとうございます・・・・・・。嬉しい・・・・・・・」

会えない間、自分ばかりが理志のことを考えていると思っていた。こうしてプレゼントをもらって、理志も自分のことを考えてくれていたのだと感じて、胸がいっぱいだった。

「あと・・・・・・」

理志が何かいいかけた時に、デザートが運ばれてきた。
理志は珍しく少し動揺してみえたが、黙ってデザートとコーヒーがテーブルに置かれるのをじっと見ていた。

「・・・・・・・あの、理志さん?」
「え?」
「さっき、何か・・・・・・」
「・・・・・・ああ。うん。また後ででいいや。デザート、食べよう」

理志は小さくため息をついた後、いつもの表情に戻ってコーヒーを一口飲んだ。
やはり、少し疲れて見える。先ほど帰ってきたばかりなのだから、あたりまえだ。
自分の願いを叶えてくれた理志に、感謝の気持ちが溢れてくる。

(早く休ませてあげたい・・・・・・)

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