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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編 完結】眩い光りの中で
芙実はスーツの袖を摘んで引っ張った。
首をブンブンと横に振って、言いすぎだと訴えかけた。
理志はクスっと笑っただけだった。
「ああ・・・・・・・。見つけたよ。うらやましいか?」
芙実は無邪気な表情の理志を見て、胸がきゅうっと締め付けられた。
電話口から低いうなり声のようなものが聞こえてくる。
「なんで泣いてんの」
理志は噴き出して笑っている。
理志が結婚することを知って、泣いて喜んでくれる友達がいることに、芙実は改めて理志の人望の厚さを感じた。
理志は、「飲みすぎんなよ、またな」と言って電話を切った。
「・・・・・・お友達ですか?」
「そうそう。小学生の時からの。実家が近いんだけど、母親から聞いたみたい。ちょっとっていうか・・・・・・だいぶ変わったやつでさ。190センチくらいあって、もうほんとゴリラみたいな身体でさ。山にこもってたかと思ったら、アメリカの大学に留学してたり、アフリカ行ってたり。変な奴だけど熱い男で、友達想いの良い奴だよ。俺もいろいろ助けてもらった」
「理志さんて、ほんとに色々なお友達がいらっしゃいますね・・・・・・」
「そういうの、恵まれてるかもね。まわりに良い奴が多くてラッキーだと思う」
「違います。理志さんが良い人だから、良い人が集まってくるんです。」
芙実はなんだか誇らしいような気持ちになって、しみじみと言った。
計算してない、自然体のままなのにみんなに愛されるのは、やっぱり才能だと思う。
「良い人?俺、自分のこと良い奴なんて思ったことないけど。むしろ嫌な奴の部類に入ると思う。嫌われることも多いし」
「そんなことないです。理志さんみたいな、人の目を惹き付ける魅力のある人は、なかなかいません」
理志は少し驚いた後、笑って言った。
「そんなこと言ってくれるの、芙実だけだよ」
理志は芙実の肩を抱き寄せて、おもむろにキスした。
「!」
「芙実がそう思ってくれたら、それでいい」
もっと深いキスをしてきそうな雰囲気になって、芙実は身体を引いた。横目で運転手の様子を伺う。
理志が距離を詰めてきたところでタクシーがホテルの敷地内に入っていった。
芙実はホッとして小さなため息をついた。
首をブンブンと横に振って、言いすぎだと訴えかけた。
理志はクスっと笑っただけだった。
「ああ・・・・・・・。見つけたよ。うらやましいか?」
芙実は無邪気な表情の理志を見て、胸がきゅうっと締め付けられた。
電話口から低いうなり声のようなものが聞こえてくる。
「なんで泣いてんの」
理志は噴き出して笑っている。
理志が結婚することを知って、泣いて喜んでくれる友達がいることに、芙実は改めて理志の人望の厚さを感じた。
理志は、「飲みすぎんなよ、またな」と言って電話を切った。
「・・・・・・お友達ですか?」
「そうそう。小学生の時からの。実家が近いんだけど、母親から聞いたみたい。ちょっとっていうか・・・・・・だいぶ変わったやつでさ。190センチくらいあって、もうほんとゴリラみたいな身体でさ。山にこもってたかと思ったら、アメリカの大学に留学してたり、アフリカ行ってたり。変な奴だけど熱い男で、友達想いの良い奴だよ。俺もいろいろ助けてもらった」
「理志さんて、ほんとに色々なお友達がいらっしゃいますね・・・・・・」
「そういうの、恵まれてるかもね。まわりに良い奴が多くてラッキーだと思う」
「違います。理志さんが良い人だから、良い人が集まってくるんです。」
芙実はなんだか誇らしいような気持ちになって、しみじみと言った。
計算してない、自然体のままなのにみんなに愛されるのは、やっぱり才能だと思う。
「良い人?俺、自分のこと良い奴なんて思ったことないけど。むしろ嫌な奴の部類に入ると思う。嫌われることも多いし」
「そんなことないです。理志さんみたいな、人の目を惹き付ける魅力のある人は、なかなかいません」
理志は少し驚いた後、笑って言った。
「そんなこと言ってくれるの、芙実だけだよ」
理志は芙実の肩を抱き寄せて、おもむろにキスした。
「!」
「芙実がそう思ってくれたら、それでいい」
もっと深いキスをしてきそうな雰囲気になって、芙実は身体を引いた。横目で運転手の様子を伺う。
理志が距離を詰めてきたところでタクシーがホテルの敷地内に入っていった。
芙実はホッとして小さなため息をついた。