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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編  完結】眩い光りの中で
「理志さん、ありがとうございます。ほんとに・・・・・・・」
「芙実、どうしたの?何かあった?今日、ずっと・・・・・・なんていうか、元気ない感じじゃない?」
「・・・・・・・・」
「やっぱり、ほとんど連絡出来なかったこと、怒ってる?」
「違います・・・・・・・。怒ってないです。怒ってるんじゃなくて・・・・・・」

理志は芙実の二の腕を掴んで身体を離すと、目を覗きこんで尋ねた。

「じゃあ、何?」

理志の目は真剣そのもので、正直に言ってほしいと訴えかけていた。
芙実は見つめ返すことが出来ず、目を伏せた。

「・・・・・・・私・・・・・・・」
「うん」
「私、ちょっと・・・・・・おかしいんです・・・・・・・」
「おかしい?」
「おかしいっていうか・・・・・・。その、理志さんとずっと会えなかったじゃないですか。その間・・・・・・ずっと、何て言うか、自分の身体が半分どっかにいったみたいな・・・・・・。何をしても・・・・・・」

そこまで言って涙がスッと流れ落ちた。一瞬、言葉に詰まったが、わずかに開いた感情の扉から一気に想いが溢れだす。

「何をしてても、全然楽しくなくて・・・・・・。理志さんのことばっかり考えちゃって、理志さんが近くにいないことが・・・・・・寂しすぎて・・・・・・・。会いたくて、自分でも自分のことがコントロールできなくて、もう、出張先まで行ってしまおうって航空券検索したりして・・・・・・・」
「芙実・・・・・・・」
「自分でも気づかないうちに、理志さんの存在が自分の中ですごく大きくなっていて・・・・・・。寂しいの後は決まって怖くなるんです・・・・・・。理志さんが・・・・・・二週間だけじゃなくて、私の前から本当にいなくなっちゃったらどうしようって、怖くて・・・・・・・」

芙実の目からハラハラと涙が落ちる。

「こんなのダメだって。こんなんじゃ、重たいってわかってるのに・・・・・・他のことに意識向けたいのに、全然だめなんです・・・・・・。音楽聴いても全然耳に入ってこないというか・・・・・。前は上手くバランス取れてたのに、なぜだか・・・・・・」

涙がどんどん溢れ、両手で顔を隠して泣いた。
自分で思っていた以上に、理志が自分の心の大部分を占めてしまっていたことが怖かった。

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