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女ざかりの恋の音色は
第13章 【番外編  完結】眩い光りの中で
「芙実、泣かないで。そうやって、会いたいって思ってくれて嬉しいよ。重たくないし迷惑でもないから」

理志はぎゅっと芙実を抱きしめた。

「・・・・・・・寂しい想いさせてごめん」

謝ってほしかったわけじゃないのに、こうして芙実を想って謝ってくれることが嬉しかった。

「芙実、これ、さっき渡そうと思ったんだけど・・・・・」

理志がそう言ってポケットから何かを出して芙実の手に乗せた。

「これは・・・・・・・」

濃紺のベルベッドの指輪のケースだった。

「芙実はいらないって言ったけど、やっぱりあげたいなと思って」
「・・・・・・・・」

芙実は黙ってケースを開けた。
大きなダイヤがキラリと光り、芙実は息を呑んだ。
シルバーのリングが中央のダイヤに沿ってゆるやかなカーブを描いて膨らんだデザインで、シンプルだが美しいフォルムの指輪だった。

「つ・・・・・・つけてもいいですか・・・・・・?」
「もちろん」

理志はそう言うと指輪をケースから取り出して芙実の左手の薬指に嵌めた。

「・・・・・・さすがに、こういうのはちょっと照れるね」

理志が恥ずかしそうに笑った。
視界がぼやけて指輪の煌めきだけがそこに見えた。
芙実の目から再びハラハラと涙が溢れる。

「ううー・・・・・・・・」
「芙実、大丈夫?」

理志の自分に対する愛情が嬉しくて、二週間離れていただけで不安になった自分が情けなくて芙実は再び嗚咽した。

「うれしいですー・・・・・・」
「良かった。芙実、婚約指輪いらないって頑なだったから、怒られたらどうしようかと思ってた」

理志がハンカチを取り出して芙実の涙を拭く。

「怒るわけないですよぉ・・・・・・。結婚指輪だけで十分だと思ってたから・・・・・・・」

理志は芙実の左手を取って口に近づけると、芙実の薬指にあるホクロにキスした。
見上げると、ニコニコと笑っている。

「俺、正直言うとあまりこういうの重要視してなかったけど、言葉にしてたことが形になるってのも、いいね」
「・・・・・・・・?」
「ずっと一緒にいようって口にしてきたけど、指輪してる芙実を見て、‘本当に俺と一生一緒にいてくれるんだな’って感激してるってこと」

そう言われて、芙実はもう一度指輪を見た。

(一生、一緒にいる証・・・・・・・・・)
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