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女ざかりの恋の音色は
第6章 忘れてたキスの甘さ
日が落ち始めて涼しい風が吹いてきた。
もうすぐ夜がくる。
二人でシートの上で座って女性アーティストが歌う、スローなテンポの曲を聴いていた。
理志がごろんと寝転がって伸びをした。
「あー気持ちいい!樫野さんも寝転がったら」
「・・・・・・・・・」
周りを見ると、寝転がっている人もたくさんいた。
芙実はゆっくり寝転がってみた。
身体は疲れていたようで、寝転がった瞬間身体にダルさを感じ、芙実も伸びをした。
暗くなり始めの空が真上に広がって、疲れた体に風とステージから聞こえてくる綺麗な声が心地よかった。
理志の手が伸び、芙実の手を握る。
風が吹いてTシャツがはためく。
触れ合っている素肌の温かさが心地よい。
(うわぁ・・・・・・なんか・・・・・・すごく幸せだなぁ・・・・・・)
芙実は少し泣きそうな気分になった。
「俺・・・・・・今、すげえ幸せ・・・・・・」
理志がポツリと言った。
芙実は理志を見た。
理志も振り向く。
芙実は私も同じだと言いたかったが、喉でつかえて言葉が出ない。
理志は上半身を起こすと、屈んで芙実の唇にちゅっとキスした。
「!」
理志はにっこり笑うと、またゴロンと上を向いてしまった。
突然のことに驚いたものの、いつかこうなるのではないかという予感がどこかにあったのだと思う。
唇の感触を忘れないように手繰り寄せる。
(だめだ。もう、降参だ・・・・・・・)
とっくに好きだったのに、その気持ちから抗って認めてこなかった。
でも、今のキスでもう認めざるを得なかった。
この人が好きだ・・・・・・。
その気持ちは、釣り合わないとか、ジャンルが違うとか、そういう不安要素の中心にとっくに強く光輝き始めていたのだ。
認めてしまうと、こんなにラクになるのかと芙実は内心苦笑した。
目の前に広がる空に、自分の素直な気持ちを解放させる気持ちよさに芙実はしばし浸ったのだった。
もうすぐ夜がくる。
二人でシートの上で座って女性アーティストが歌う、スローなテンポの曲を聴いていた。
理志がごろんと寝転がって伸びをした。
「あー気持ちいい!樫野さんも寝転がったら」
「・・・・・・・・・」
周りを見ると、寝転がっている人もたくさんいた。
芙実はゆっくり寝転がってみた。
身体は疲れていたようで、寝転がった瞬間身体にダルさを感じ、芙実も伸びをした。
暗くなり始めの空が真上に広がって、疲れた体に風とステージから聞こえてくる綺麗な声が心地よかった。
理志の手が伸び、芙実の手を握る。
風が吹いてTシャツがはためく。
触れ合っている素肌の温かさが心地よい。
(うわぁ・・・・・・なんか・・・・・・すごく幸せだなぁ・・・・・・)
芙実は少し泣きそうな気分になった。
「俺・・・・・・今、すげえ幸せ・・・・・・」
理志がポツリと言った。
芙実は理志を見た。
理志も振り向く。
芙実は私も同じだと言いたかったが、喉でつかえて言葉が出ない。
理志は上半身を起こすと、屈んで芙実の唇にちゅっとキスした。
「!」
理志はにっこり笑うと、またゴロンと上を向いてしまった。
突然のことに驚いたものの、いつかこうなるのではないかという予感がどこかにあったのだと思う。
唇の感触を忘れないように手繰り寄せる。
(だめだ。もう、降参だ・・・・・・・)
とっくに好きだったのに、その気持ちから抗って認めてこなかった。
でも、今のキスでもう認めざるを得なかった。
この人が好きだ・・・・・・。
その気持ちは、釣り合わないとか、ジャンルが違うとか、そういう不安要素の中心にとっくに強く光輝き始めていたのだ。
認めてしまうと、こんなにラクになるのかと芙実は内心苦笑した。
目の前に広がる空に、自分の素直な気持ちを解放させる気持ちよさに芙実はしばし浸ったのだった。