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女ざかりの恋の音色は
第7章 締め付けられる心
「ねえ、これさ。どうやって検索してたどりついたの? ’一人えっち’、’女性’とかで検索しないと出てこないよね?て、ことは君らも一人でやってるんでしょ?で、これ見て興奮してんだよね?こんな過去記事までさかのぼるってことは相当お気に入りなわけじゃん」

二人は自分たちもオナニーしてるんでしょと言われて顔を赤くして否定した。

「え~!違いますよ~!たまたま・・・・・いつも見てる美容ブロガーさんがリンク貼ってたから見つけたんですよ~」
「だからさ。何でそうやって否定すんの?女だって性欲あって当たり前じゃん。そのブロガーさんもおすすめでリンク貼ってるんでしょ?俺、世の中のほとんどの女の子がオナニーしてるって思ってるよ」

’オナニー’というフレーズが出て、女性たちはきゃーっと声を上げた。

「自分のこと棚にあげて・・・・・・。自分は純情、この人はいやらしいって、そういう卑怯な感じ、好きじゃない」

二人はとうとう黙ってしまった。
気まずい雰囲気を打ち消すように、退社する女性の挨拶が始まった。
みんなの視線がそちらに向いて、芙実は一瞬ホッとしたものの、すぐにまた恐怖に襲われた。

(どうしよう・・・・・・バレた・・・・・・・)

理志は絶対に気がついた。ほくろのことを話していた、あの時のことを思い出す。
あんなに熱心にほくろをなぞっていたし、何よりも今の会話が物語っていた。
芙実をかばうようなやりとりは、理志が芙実だと確信したことに他ならない。

挨拶が全く入ってこない。芙実はどこかへ消えてしまいたい気持ちでいっぱいだった。

挨拶が終わり、花束が手渡され、拍手が起こる。
解散の声がかかり、人々が立ち上がる。

芙実はさっと立ち上がり、理志やゆかりたちと目を合わせないように失礼しますと挨拶すると、退社する女性のもとに急いだ。

お世話になったお礼を伝え、二、三言葉を交わして会場を出た。

駅まで走ろうと思ったところで腕を捕まれた。

振り返ると理志が不安気な表情で立っていた。

「・・・・・・帰るつもり?」
「・・・・・・・・・」

芙実はすぐに視線を外した。

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