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女ざかりの恋の音色は
第9章 誰にも見せたくない
理志は芙実に机に手をつかせて、立ちバックの体勢になると、腰を掴んで出し入れした。
奥を突き上げるようにグリグリと刺激しては、前後に出し入れする。
身体がゆさゆさと揺れ、眼鏡がずれて机の上に落ちた。

凝縮していく気持ちよさだけが頭を満たして、他のことが考えられなくなる。
芙実はとうとう声をあげた。

「ああーーーッ!!ーーーーー~~~ッッ!!」

イキそうと思った次の瞬間にあっという間に絶頂を迎えてしまった。

ビクビクビクッッ!!と激しく身体が跳ね上がり、机がガタガタと鳴った。

理志の方も同時に達したらしく、動きを止めて後ろから芙実の身体を抱きしめた。

二人の荒い息使いがシン・・・・・としたフロアに響く。

(とうとう・・・・・・オフィスでしてしまった・・・・・・・・)

理志がつながったままゆっくり椅子に座る。

「しちゃったね」
「・・・・・・・・・」
「怒ってる?」

芙実は怒ってなかったが、恥ずかしくて嘘を言った。

「・・・・・・怒ってる」
「ごめんごめん」

理志がぎゅっと抱きしめて耳元で囁く。

「でも好き?」

芙実の胸がきゅうっと締め付けられる。

こういうところ、ずるいなぁと芙実は思う。憎めない、どころか愛しさが倍増してしまう。

「・・・・・・好き」

芙実は呟くように言った。

理志が首筋に軽くチュ・・・・・とキスした。
顔を見なくても、いつもの柔らかい笑顔を浮かべているのがわかる。

「俺の家行こう」
「うん・・・・・・」

眼鏡をかけて、乱れた服と髪を急いで整える。

理志は手際よく後片付けをし、手を洗いに行った。
自分と違ってオフィスでのセックスにも慣れているのではないかと思ってしまう。
理志ならいくらでも機会はあっただろう。
心の中に重たいものが芽生えそうになって慌ててねじ伏せた。

(あったかなかったか定かでない過去にまで嫉妬してどうするの・・・・・)

受付の女の子に限らず、理志の近くにいる女の子、そして過去に嫉妬してしまう自分がいやだった。

きっと付き合い始めだからだと言い聞かせている。

芙実は早く自信が持てるようになりたい・・・・・。
理志の横顔を見ながらこっそり思ったのだった。
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