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女ざかりの恋の音色は
第10章 激しい嫉妬
一番戸惑ったのは、恥ずかしがる姿だ。頬や耳をほんのりピンク色に染めて目線を合わせないように目を伏せる様がかわいらしくもあり、同時に放たれる色気に胸がざわつく。

理志の身体を押す指先の緊張感や、ほのかに香る洗濯洗剤の匂いからは純粋さを感じさせるのに、理志を誘惑するどころか拒絶して見えるのに、エロティックな空気が放たれてるように感じるのはなぜなのか・・・・・・・。

顎を掴んで狂ったようにキスしたくなって、そんな風に感じる自分に驚いた。

まるで、オスの本能を電気かなんかで直接刺激されたみたいな衝動だった。

どうにかして距離を縮めたい・・・・・。

そんな気持ちになったのは久しぶりだった。

最初は普段とのギャップのせいかと思ったが、距離が近づくにつれその想いは強くなる。
なんとか強引に付き合うようになったが、今度は芙実の秘密を思わぬ形で知ることとなる。
激しく拒絶された時は今まで経験したことのない胸の痛みを感じた。

芙実がオナニー日記をブログで公開していると知って、妙に納得してしまった。
自分が惹きつけられていたのは、芙実が隠しきれてなかった女の部分だったのだと思った。

無事、想いが通じ合ってからのセックスは最高だった。

男性経験がないのに、芙実の身体は完全に出来上がっていた。
今までの誰よりもセックスが良い。
それなのに、気持ちが初々しいままなのだ。

理志への恋心を自分でもどう扱っていいのか手探りな様子もまたかわいい。
同業者だから仕事への理解もある。残業が続いたり約束が守れなくても文句を言わないのは理志にとってありがたかった。芙実も趣味の音楽を一人堪能できる時間があって調度良いみたいだ。

すっかり芙実にハマってしまった。独占欲が日に日に強くなっていく。

(重症だなー・・・・・・)

本当は今日西野やミキに会わせたくないのだ。西野は芙実と趣味の部分で気が合うようだし、ミキは間違いなくからかってくる。

「理志さん!」

芙実の声がして顔を上げる。

理志は驚いて目を見開いた。
芙実がいつになくおしゃれしてきていたからだ。

「ごめんなさい、待った?」
「いや・・・・・。大丈夫。それより、どうしたの?その格好」


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