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女ざかりの恋の音色は
第10章 激しい嫉妬
芙実は紺色の上半身が細身でスカートがフレアになっているワンピースを着ていた。ボタンが赤くて大人っぽくなりすぎず可愛らしい印象を与える。大きな胸が強調されていることにヤキモキする。
茶色のバッグも見たことのないバッグだった。

髪も下ろして綺麗にセットされているし、前髪を横に流している。メイクもナチュラルだが、いつもよりはしっかりしている。眼鏡はいつもの眼鏡だが、可愛さの中に知的さを加えるアイテムになっていた。

「あ・・・・・変ですか?」
「いや、変じゃない。かわいいよ・・・・・・」
「理志さんの言う通り、マネキンが着てたのそのまま買いました」

芙実はえへへと照れくさそうに笑った。

「そんなに気合入れなくてもいいのに」

理志は複雑な気持ちになって言った。

「あ・・・・・友達に、アドバイスされて・・・・・。女子はチェックが厳しいからって」
「西野の彼女のこと?チェックとかする女じゃないから大丈夫だよ」
「そうですか。それなら良かったです」

理志は芙実の手を取った。芙実が理志を見上げて微笑む。

(なんだよ。くっそかわいいなー。かわいいけど、なんだこの気持ちは・・・・・・・)

イヤリングやネックレスもつけて、爪まで綺麗にマニキュアを塗ってある。
こんな芙実を見たことなかったから、いつもと違う子を連れているみたいだ。

ミキには無難に少し高めのワインを買った。
芙実は花をプレゼントしたいというので、花屋にも寄った。

花を見つめる横顔があまりにかわいらしくて、理志は耳元で囁いた。

「キスしたい」
「・・・・・・だめです」
「今日、泊まっていいんだよね?」
「いいんですけど・・・・・・。着替えとか持ってきてます?」
「持ってきてない。コンビニでパンツくらい買うよ」

芙実は少し何か考えてから時計を見た。

「あの・・・・・パジャマを買いませんか?まだ少し時間ありますし」
「パジャマ?いや、いいよ。今度適当な服持ってく」
「・・・・・・・・・」
「どうした?」

芙実は急にもじもじして恥ずかしそうに言った。
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