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女ざかりの恋の音色は
第10章 激しい嫉妬
「か、彼氏が出来たら、パジャマ用意するの夢だったんです。実は・・・・・もう買ってて・・・・・」
「あ、そうなの?」
「でも、理志さん、パジャマにこだわりがあったらアレなので、今から見にいきませんか?」
「こだわりなんかないよ。芙実が買ってくれたやつ着る」
「あの、先に言っておきますと、お揃いなんです・・・・・!ダサいですよね!?ごめんなさい・・・・・・」

なぜ謝るのかと理志は苦笑した。
お揃いのパジャマを着るのが夢だったと恥ずかしそうに言うのに、ものすごい激しいセックスをするのだから、本当にこの子は興味深いとしみじみ思う。

「・・・・・もう西野たちのことはほっといて、そのパジャマ着に帰ろうかな」
「いやいや、だめだめ」

居酒屋には案の定、まだ西野たちは着いてなかった。
半個室の店で、丸いテーブルになっている。

芙実はそわそわして口数が少なくなっている。

「緊張しすぎじゃない?」

理志がテーブルの上の芙実の手を握る。

「西野さんの彼女って、恐ろしいほどおしゃれでキラキラなイメージで・・・・・・」
「どんなイメージよ。思ってるのとだいぶ違うと思うけど」
「mini系ですか?SPUR系ですか?」
「そんなのわかんないよ。てか、芙実ってなんだかんだ言ってそういう知識あるよね」
「そうなんです・・・・・・!自分はおしゃれしないくせに、リサーチだけはいっちょまえで・・・・・」

そんな話をしているうちに西野がやってきた。

「おーっす・・・・・って、え!?樫野さん、何?今日すげえ可愛いね」

西野は何の抵抗もなく芙実を褒めた。
芙実は照れながらも嬉しそうだ。
心の片隅でチクリと小さな棘が刺さったみたな痛みを感じる。

「へ~。全然雰囲気違うね。そのワンピース、すごい可愛い。どこで買ったの?」
「新宿の百貨店で・・・・・・」

西野は興味深そうに芙実をじろじろと見ている。

「あの、西野さんたちはどういうところでお洋服を買っているんでしょうか?」
「俺?俺は、まあ色々だけど、母親がアパレルの会社やってて。そこ経由で買うのが多いかな」
「ああー・・・・・・。なるほどー・・・・・」
「こいつにもかなり割安で譲ってるよ」

そう言って理志を指差した。

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