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女ざかりの恋の音色は
第10章 激しい嫉妬
「わかるなぁ・・・・・・。ミキさんみたいな才能溢れる女性と付き合ったら、それ以上の人ってなかなか出会えないですよね・・・・・・」
「だって。そうなの?」

ミキが西野の顔を覗き込んだ。西野が照れくさそうに睨んだ。

「他の子はだいたい金目当てが多いんだよ。お前は違うから。それだけ」
「ふーん?」

西野の父親は大きな会社の役員で、母親はアパレルの会社の社長と、かなり裕福な家の長男だから、それを知って近づいてくる女の子も確かに多いが、やはりミキの才能や人柄に心底惚れ込んでいるんだと理志は思っている。

「西野さん、ミキさんのこと絶対離しちゃだめです・・・・・!こんな素敵な人、多分二度と会えません・・・・・!」
「・・・・・・ミキ、お前ほんとに女子ウケいいなぁ」

芙実がすっかりミキに憧れを抱いてしまったようだ。理志は苦笑して言った。

「芙実ちゃん、うれしいこと言ってくれるね。芙実ちゃんも、すごく素敵よ?たとえば・・・・・・」

ミキは再び芙実の顔をじーっと見た。

「芙実ちゃん、セックスがすごい」
「・・・・・・・!?」

理志は驚いてミキを見た。芙実も言葉を失って固まっている。

「すごく勉強熱心で、真面目。純粋なのに、ものすごいエロティックなとこがある。なんか不思議な子」
「あ、あの・・・・・・」
「台湾にいた時に、近所に有名な人相占いのおばあちゃんがいてね。いつも横についておばあちゃんが占うとこ見てるうちに、私もわかるようになって。けっこうあたってるでしょ?ねえ、理志?」
「・・・・・・それ、俺に答えさせる?」

当たってると答えたようなもだ。勘なのか、ほんとうに占う力があるのか、ミキの言うことはだいたい当たっていることを西野も理志も知っていた。

「俺、ちょっとトイレ」

理志は話の流れを変えるきっかけになるかなと立ち上がった。
芙実は赤くなってうつむいている。
おそらくまだこれからミキがあれこれ占うだろう。
自分がいない方が芙実も話を聞きやすいだろうと思った。

トイレから戻ると、入れ替わりで芙実がトイレに行った。

西野とミキがにやにやして理志を見ている。

「いい子ね。あの子。理志が夢中になるのもわかる」
「お前に恥じかかせないためにおしゃれしてきてさ。健気だよなぁ」

二人に言われて、恥ずかしさもあったが、理志は正直に自分の気持ちを話した。
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