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女ざかりの恋の音色は
第10章 激しい嫉妬
「・・・・・・今日みたいに着飾ってるの、可愛いんだけど、なんつーか・・・・・。そんなことしないでいいのにって思っちゃうんだよね」
「は?どういうこと?」

西野が不思議そうに尋ねた。
ミキがにやっと笑って言った。

「はーん・・・・・他の男に気付いて欲しくないんだ。彼女の魅力に」
「・・・・・・・」
「なにそれ。自分の彼女がおしゃれしてかわいくなったら、普通に嬉しくない?」
「誰にも見せたくないのよ。かわいい芙実ちゃんを」

西野が理志を見て、呆気に取られている。

「おま・・・・・・重症だな」

理志は恥ずかしさを隠すために焼酎を一気飲みした。

「芙実ちゃん、心配してたよ」

ミキが理志の肩をポンと叩いて言った。

「心配?」
「面白みのない女だから、理志がいつかもっと魅力的な子のところにいっちゃうんじゃないかって。どうしたらミキさんみたいな魅力的な女になれますか?だって。もーかわいいくて泣けてくるわよ」

自分がトイレに行ってる間に、そんな話をしていたのか・・・・・・。

相談している芙実を想像して胸がじんわり温かくなる。

「気をつけなさいよ。あの子、これからモテるよ。あんたに愛されて、つまり抱かれて、どんどん色気出てくるから。間違いなく男が寄ってくる」

ミキの忠告に理志は眉をひそめる。

「やめてくれよ」
「あからさまなエロより、無自覚のエロの方に反応する人間て多いのよ」
「あ、それわかるなぁ。自分で自覚してないとこがイイ」

西野が同調して、理志の心がますますザワつく。

「・・・・・・に、しても遅くない?ミキ、ちょっとトイレ見てきなよ」

西野に言われて、ミキが立ち上がって芙実の様子を見に行った。

遠くでガヤガヤと盛り上がる声が聞こえた後、二人が戻ってきた。

「はいはい、芙実ちゃん、ナンパされてましたよー」
「ミ、ミキさん・・・・・!」

理志は顔をしかめた。

「ナンパ?」

ミキがテーブルに名刺を一枚ずつ読み上げて並べる。

「えーと、弁護士に、医者に、国家一種・・・・・商社マン。名刺はないけど、ここにパイロットが加わります」
「なんだそのカード。ロイヤルストレートフラッシュかよ。適齢期の女子に高く売れそうだな」

西野が適切な突っ込みを入れる。
理志は名刺を睨みつけた。

「どっかの大学のOB会?トイレの前で酔っ払いどもにつかまってました」
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