この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
女ざかりの恋の音色は
第10章 激しい嫉妬
「芙実ちゃん、またね。お花ありがとう」

芙実はまだ二人と話をしたそうにしていたが、大人しく帰った方がよさそうだと判断したようで、立ち上がって二人に頭を下げた。

「今日は楽しかったです。またお話聞かせてください。西野さんも、またライブの感想聞かせてください」
「うん。多分またライブハウスで会うよね。その時は声かけるよ」
「はい」

理志がミキと西野をジロ・・・・・と睨む。

「いやー、こんな理志を見る日がくるとは。女の子、面倒くさいーみたいになってた男がわからないものねえ。理志、良かったね。お幸せに」

ミキは冷やかすように言うとウィンクして二人に手を振った。

理志は何も言わずに芙実の手を引いて店を出る。

イライラして歩く速度が早くなる。
芙実はもたつきながら一生懸命走ってついてくる。

「理志さん・・・・・!待って・・・・・!あ!」

芙実の茶色の靴が片方脱げた。
後ろを歩いていた女性が拾い上げて芙実に渡してくれる。
芙実は、すみませんありがとうございますと頭を下げた。

「理志さん、ごめ・・・・・・」
「そんな格好してくるからだろ・・・・・!」

思わず理志は声を荒げた。
道行く人々が二人を横目で見ながら通り過ぎる。

芙実は目を見張って明らかに傷ついた顔をした。
泣きそうになってうつむく。

理志は言ってしまってすぐに後悔した。

(何やってんだ、俺は・・・・・・)

自分のためにおしゃれしてきてくれたんじゃないか・・・・・・。
きっと今日のためにあれこれ考えて、準備してくれたに違いないのに。

勝手に嫉妬して、何も悪くない芙実にあたっている自分が愚かで情けなかった。

理志は近くの公園に入って、芙実の両手を取って向き合った。
夜の公園は人がほとんどおらずひっそりとしていて、遠くの大通りの喧騒がかすかに聞こえてくる。

「ごめん・・・・・・。俺、おかしい・・・・・・・」

理志は芙実の手を指で撫でながら、自分の感情と向き合った。
言いたくない。が、言わなくてはいけない。
/288ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ