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女ざかりの恋の音色は
第10章 激しい嫉妬
「芙実ちゃん、またね。お花ありがとう」
芙実はまだ二人と話をしたそうにしていたが、大人しく帰った方がよさそうだと判断したようで、立ち上がって二人に頭を下げた。
「今日は楽しかったです。またお話聞かせてください。西野さんも、またライブの感想聞かせてください」
「うん。多分またライブハウスで会うよね。その時は声かけるよ」
「はい」
理志がミキと西野をジロ・・・・・と睨む。
「いやー、こんな理志を見る日がくるとは。女の子、面倒くさいーみたいになってた男がわからないものねえ。理志、良かったね。お幸せに」
ミキは冷やかすように言うとウィンクして二人に手を振った。
理志は何も言わずに芙実の手を引いて店を出る。
イライラして歩く速度が早くなる。
芙実はもたつきながら一生懸命走ってついてくる。
「理志さん・・・・・!待って・・・・・!あ!」
芙実の茶色の靴が片方脱げた。
後ろを歩いていた女性が拾い上げて芙実に渡してくれる。
芙実は、すみませんありがとうございますと頭を下げた。
「理志さん、ごめ・・・・・・」
「そんな格好してくるからだろ・・・・・!」
思わず理志は声を荒げた。
道行く人々が二人を横目で見ながら通り過ぎる。
芙実は目を見張って明らかに傷ついた顔をした。
泣きそうになってうつむく。
理志は言ってしまってすぐに後悔した。
(何やってんだ、俺は・・・・・・)
自分のためにおしゃれしてきてくれたんじゃないか・・・・・・。
きっと今日のためにあれこれ考えて、準備してくれたに違いないのに。
勝手に嫉妬して、何も悪くない芙実にあたっている自分が愚かで情けなかった。
理志は近くの公園に入って、芙実の両手を取って向き合った。
夜の公園は人がほとんどおらずひっそりとしていて、遠くの大通りの喧騒がかすかに聞こえてくる。
「ごめん・・・・・・。俺、おかしい・・・・・・・」
理志は芙実の手を指で撫でながら、自分の感情と向き合った。
言いたくない。が、言わなくてはいけない。
芙実はまだ二人と話をしたそうにしていたが、大人しく帰った方がよさそうだと判断したようで、立ち上がって二人に頭を下げた。
「今日は楽しかったです。またお話聞かせてください。西野さんも、またライブの感想聞かせてください」
「うん。多分またライブハウスで会うよね。その時は声かけるよ」
「はい」
理志がミキと西野をジロ・・・・・と睨む。
「いやー、こんな理志を見る日がくるとは。女の子、面倒くさいーみたいになってた男がわからないものねえ。理志、良かったね。お幸せに」
ミキは冷やかすように言うとウィンクして二人に手を振った。
理志は何も言わずに芙実の手を引いて店を出る。
イライラして歩く速度が早くなる。
芙実はもたつきながら一生懸命走ってついてくる。
「理志さん・・・・・!待って・・・・・!あ!」
芙実の茶色の靴が片方脱げた。
後ろを歩いていた女性が拾い上げて芙実に渡してくれる。
芙実は、すみませんありがとうございますと頭を下げた。
「理志さん、ごめ・・・・・・」
「そんな格好してくるからだろ・・・・・!」
思わず理志は声を荒げた。
道行く人々が二人を横目で見ながら通り過ぎる。
芙実は目を見張って明らかに傷ついた顔をした。
泣きそうになってうつむく。
理志は言ってしまってすぐに後悔した。
(何やってんだ、俺は・・・・・・)
自分のためにおしゃれしてきてくれたんじゃないか・・・・・・。
きっと今日のためにあれこれ考えて、準備してくれたに違いないのに。
勝手に嫉妬して、何も悪くない芙実にあたっている自分が愚かで情けなかった。
理志は近くの公園に入って、芙実の両手を取って向き合った。
夜の公園は人がほとんどおらずひっそりとしていて、遠くの大通りの喧騒がかすかに聞こえてくる。
「ごめん・・・・・・。俺、おかしい・・・・・・・」
理志は芙実の手を指で撫でながら、自分の感情と向き合った。
言いたくない。が、言わなくてはいけない。