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女ざかりの恋の音色は
第11章 恋の音色
芙実は一瞬何かを想像した後激しく首を横に振って抵抗した。

「無理!無理です!だってそんな・・・・・・無理!!」

無理の一点張りで拒絶している。

「芙実もやってみたいって思うでしょ?正直に言って」
「そ・・・・・それは・・・・・・。いや、でも、今日はちょっと、その・・・・・・」
「何?」
「じゅ・・・・・準備とか・・・・・・」

芙実は真っ赤になって枕に突っ伏してしまった。

(準備?・・・・・ああ、洗浄とかってこと?)

理志は今度にしようかと諦めようかと思ったが、したいという気持ちが捨てられない。

「・・・・・じゃあ、少しだけ。入れるだけ。動かさないから」
「・・・・・・・・」

芙実は沈黙している。どうしようかと考えあぐねているのだ。

「一回入れたら満足するから」
「・・・・・・どうして、急にそんなこと・・・・・・」

芙実は枕に突っ伏したまま理志の気持ちを尋ねた。

「どうして?そりゃー、芙実の全部が欲しいなぁって思うから」
「全部?」

芙実は少し顔を上げて理志の目を覗き込んだ。

「ほんとに好きじゃなきゃ、ここは差し出せないでしょ?」

これでは、本当に好きなら入れさせてくれるよねと脅しているようなものかなと思ったが、撤回するつもりはなかった。征服欲があるのは確かだからだ。

「・・・・・・理志さんは、その・・・・・・嬉しいですか?入れるだけでも?」
「うん。嬉しい」
「・・・・・・・・」

芙実はあれこれ逡巡した後、決意したような諦めたような顔をして言った。

「わかりました・・・・・・。でも、本当に入れるだけですよ?」
「うん。どうやったらいいか教えて」

芙実はベッドサイドの棚からローションを取り出した。
シーツが汚れるからと、ベッドから降りる。

「最初に指で・・・・・広げてください・・・・・・・」

芙実はコンドームを理志の人差し指にはめた。

「ふーん・・・・・。最初は、一本で、ほぐれていたら二本にして、次に挿れていいかんじ?」

理志が手順を確認しているうちに、芙実は見る見る顔を赤くした。

「そ、そうです・・・・・・」
「じゃあ、手ついて」
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