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女ざかりの恋の音色は
第11章 恋の音色
髪を乾かし終えて、芙実に手渡されたネイビーのパジャマを手に取る。
「なんか、こういう’THE パジャマ’って感じのやつ着るの、ガキの時以来だなー」
「す、すみません・・・・・」
「違うよ。嫌だっていうんじゃなくて。懐かしいってこと」
理志はパジャマに袖を通した。
(あ、芙実の匂い)
パジャマから普段嗅いでいた芙実の洗濯洗剤の匂いがして、むしろそれが嬉しかった。
「うん。確かに肌触りいいね。どう?」
着終わって芙実の前に立ってみせる。
「・・・・・・・すごくイイです・・・・・・!」
芙実は目をキラキラさせて喜んでいる。
芙実は女性用の同じデザインの白いパジャマを着ている。
化粧も全て落として、髪も手早く乾かしたから乱れているのに、おしゃれしている時よりずっと可愛く見える。キスのしすぎで唇が真っ赤なところだけが際立って艶かしい。
二人で姿見の前に並ぶ。
「いいね」
「なんか、ふう・・・・・・」
芙実は言いかけて口を噤んだ。
夫婦みたい、と続けようとしたのだと思った。
「いえ、あの・・・・・ありがとうございます。夢が叶いました」
慌てて言い換えているが、理志の頭に’夫婦’というフレーズが残ってしまった。
(やっぱりこれは間違いないよなぁ・・・・・・・)
自分の心の中で揺ぎ無いと確信できるものがそこにあった。
理志は鏡越しに芙実を見た。
「・・・・・・俺、髪の毛切ろうかなー」
「えっ」
芙実は驚いて横にいる理志を見上げた。
「髪・・・・・・」
芙実が脳内で髪の短い理志を想像しているのが伝わる。
「・・・・・すごく、いいと思います!絶対かっこいいと思います!」
「結婚の挨拶の時は、髪ちゃんとしてった方がいいよね。一般的に」
「結婚の挨拶?そうですね、一般的には・・・・・・」
芙実は言葉を止めてしばらく何の話をしているのかと考えているようだった。
「なんか、こういう’THE パジャマ’って感じのやつ着るの、ガキの時以来だなー」
「す、すみません・・・・・」
「違うよ。嫌だっていうんじゃなくて。懐かしいってこと」
理志はパジャマに袖を通した。
(あ、芙実の匂い)
パジャマから普段嗅いでいた芙実の洗濯洗剤の匂いがして、むしろそれが嬉しかった。
「うん。確かに肌触りいいね。どう?」
着終わって芙実の前に立ってみせる。
「・・・・・・・すごくイイです・・・・・・!」
芙実は目をキラキラさせて喜んでいる。
芙実は女性用の同じデザインの白いパジャマを着ている。
化粧も全て落として、髪も手早く乾かしたから乱れているのに、おしゃれしている時よりずっと可愛く見える。キスのしすぎで唇が真っ赤なところだけが際立って艶かしい。
二人で姿見の前に並ぶ。
「いいね」
「なんか、ふう・・・・・・」
芙実は言いかけて口を噤んだ。
夫婦みたい、と続けようとしたのだと思った。
「いえ、あの・・・・・ありがとうございます。夢が叶いました」
慌てて言い換えているが、理志の頭に’夫婦’というフレーズが残ってしまった。
(やっぱりこれは間違いないよなぁ・・・・・・・)
自分の心の中で揺ぎ無いと確信できるものがそこにあった。
理志は鏡越しに芙実を見た。
「・・・・・・俺、髪の毛切ろうかなー」
「えっ」
芙実は驚いて横にいる理志を見上げた。
「髪・・・・・・」
芙実が脳内で髪の短い理志を想像しているのが伝わる。
「・・・・・すごく、いいと思います!絶対かっこいいと思います!」
「結婚の挨拶の時は、髪ちゃんとしてった方がいいよね。一般的に」
「結婚の挨拶?そうですね、一般的には・・・・・・」
芙実は言葉を止めてしばらく何の話をしているのかと考えているようだった。