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女ざかりの恋の音色は
第11章 恋の音色
「・・・・・・・え?」
「俺と暮らせば家賃気にしないでいいじゃん。正社員にならんでも。また身体壊したり、ライブ行く時間減るのいやでしょ?」
「え?え?」

芙実は一人エッチ日記のブログを更新するモチベーションがなくなってしまったと、閉鎖することを決めていた。もったいないから続けなよと言ったが、理志と付き合い始めて書くことができなくなってしまったのだという。

その分収入が減るからと、正社員で働こうと就職活動中だった。

「芙実のお父さん、ビートルズ好きなら、やっぱポールから責めるべき?ベースまた練習しようかな」
「・・・・・・・。え、え、えーーーーー!?」

芙実はこれがようやくプロポーズだと理解して、へなへなとへたり込んだ。

「あはは。腰抜かしてる人、初めて見た」

理志も芙実の前にしゃがみ込む。

「そんな・・・・・・。冗談ですよね?」
「本気だけど?」

芙実は信じられないといった表情で理志を凝視している。

「・・・・・・いくらなんでも、早すぎませんか・・・・・・?」
「そう?俺、結婚したいなんて思ったことないからよく知らないんだけど、一般的には付き合い始めて何年くらいでするの?」
「それは・・・・・二年とか三年とかじゃないでしょうか・・・・・・」
「えー?それほんと?二年とか絶対無理。待てない」

理志は芙実の顎を摘んで上を向かせた。

「もう一生芙実って決めてんのに、二年とか待つ意味ある?」
「・・・・・・・・」
「一緒に住んでたら、毎日いちゃいちゃできて、芙実の玉子焼きいつでも食べられて、同じ洗剤で洗ったパジャマ着て・・・・・。最高に幸せじゃない?」
「理志さん・・・・・」
「本当は即答してほしかったけど、ま、考えておいて」

理志は立ち上がると、芙実の手を引いてベッドへと向かった。
二人で布団に入り込む。

芙実は黙り込んでいる。

(そっかー・・・・・・普通はそんなにすぐ決められるものじゃないか・・・・・)

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