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女ざかりの恋の音色は
第12章 【番外編】くもり空と秋晴れの空と
「後学のためにお聞きしたいんですけど、そういう髪型って何て言って切ってもらうんですか?」
「後学って、使うときくる?・・・・・・何てって、俺、高校時代の友達に切ってもらってるから、そいつと相談してって感じ。マッシュショートっていうの?それにツーブロックにしたらって言われて迷ったんだけど、芙実のご両親の印象悪くなりそうだから、刈り上げないツーブロックにしてもらった」
「へー~・・・・・・」

自分から質問したくせによく理解できなかった。マッシュって良く聞くけど、つまり何?という疑問は家に帰って検索しようと思った。

「あんまりジロジロみないでよ。目線感じて首筋あたりが落ち着かない」
「すみません・・・・・でも見惚れちゃって・・・・・・・」

理志はズイ・・・・・と顔を寄せて囁いた。

「抱かれたくなっちゃった?」

外見の印象が変わっても当たり前だが、中身はやはり理志のままだ。
芙実はいつもなら何を言ってるのだと咎めるところだが、今日は気持ちが高まってしまっていた。

「はい・・・・・!いえ、正確に言うと、抱きたいです!」
「はぁ?」
「ぎゅーってして、耳をべろべろに舐めたいです・・・・・!」
「バ・・・・・・!」

理志は芙実の口を塞いであたりをキョロキョロ見回した。
小さな声でバカ!声大きい!と芙実を咎める。
理志の耳が薄いピンク色になっている。照れてる姿に更にキュンとなる。

「・・・・・もう帰ろうかな」
「え!?」
「だって芙実、真面目にキャンプのリサーチしてくれないし」

理志がすねだして、芙実は慌てた。

「ごごご、ごめんなさい!真面目にリサーチしますので、帰らないでください・・・・・・!」

理志はクス・・・・と笑って芙実の腰を引き寄せて耳元で囁いた。

「あとでべろべろに舐めて」
「・・・・・・いいの?」
「芙実の好きにしていいよ」

腰がくだけそうな甘い囁きだった。

さ、買い物しよ、と理志が言って芙実の手を繋いだ。
’あとで’を想像して胸がドキドキしてくる。

今は買い物に集中しなくては。今度ぼんやりしてたら理志は本当に帰ってしまうだろう。
芙実は下半身の疼きを隠して理志についていった。
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