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女ざかりの恋の音色は
第12章 【番外編】くもり空と秋晴れの空と
「なんか雲行きがあやしくなってきた」

仕事終わりの電話で、理志は疲れた声で言った。

「どうしたんですか?」
「大幅に仕様が変わって、でも納期は守れってんで、みんな死にそうになってる。ただでさえ遅れぎみだったのに」
「あー・・・・。それは大変ですね」

芙実の以前いた職場はいつもとんでもないスケジュールで仕事をとってくる会社だったから、大変さがよくわかる。

理志のところは芙実がいたところよりずっとまともな会社だが、今回は少し様子が違うようだった。

「今回は相手がけっこうデカいとこだから、次に繋げる目論見もあって成功させたいんだろな」
「そっか・・・・。じゃあ、まだしばらく会えないですかね」
「・・・・・・ごめん」
「いいえ。フェスは大丈夫ですよね?」
「んー、二日間はな~・・・・。せめてオンスケに近い状態に持っていければなぁ・・・・・」

オンスケとは計画がスケジュール通りにすすんでいるという意味だ。

理志が珍しく言いよどんでいる。おそらく行けそうにないのだと察した。
芙実は初めてのキャンプフェスに理志と行けることを心底楽しみにしていたので、肩を落として落胆した。電話で良かった。がっかりしているところを悟られないように、芙実は声を作って言った。

「フェスはまた来年行けますから。気にしないでください」
「ぎりぎり行けそうな気はするんだけど・・・・・・。もしダメだったらごめん」
「いえいえ、一人の参戦慣れてますから大丈夫です」
「え?何言ってんの?一人で行くつもり?」

理志が驚きの声を上げる。芙実は何のことだとあたまにハテナを浮かべた。

「はい。だって、私は予定通り行けますし」
「いやいや、ダメでしょ。女の子一人でテント泊とか」
「大丈夫ですよ。そういう子、けっこういますよ」
「だめだめ。他の子がどうでも、芙実はだめ」
「・・・・・・・」

芙実は黙り込んだ。理志が仕事で行けないのは仕方ない。でも、なぜ自分まで参加を諦めなくてはいけないのか。二日間の通し券はもう買ってしまっている。

「どうしてですか?私、一人でも行きたいです」
「どうしてって、危ないからだろ」
「大勢の人がいる場所ですよ?女の子もたくさんいますし、係の人もいるから大丈夫です」
「俺が心配だからやめて」
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