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人妻奈津美の秘め事
第2章 もう一人の彼
『奥さんの秘密って何ですか?』

青山君にそう聞かれた私は返答に窮していた。

誰にも言えないからこそ、秘密なのだ。

それを簡単に他人に教えていたら秘密なんてこの世に存在しなくなってしまうではないか・・?

「どうしました・・?言えないんですか?」

「ウフ、だって・・他人に言えないからこそ、秘密なんでしょ? 」

答えを催促してきた青山君をサラリとかわした私は、コーヒーのお代わりを取りにキッチンに逃げたのだった。

まさか、私の秘密を青山君になんか言える訳がなかった。

だって・・青山君に犯される妄想をしながら、自慰に耽っているなどと口が裂けても言える筈がなかった。

「そっか、憧れの奥さんの秘密を教えてもらいたかったけど・・諦めます」

青山君は私が出したお代わりのコーヒーを口にしながら笑っていた。

「ごめんなさい。でも、人間誰しも他人には言えない秘密の1つや2つある筈よ」

「ですよね・・。でも、まさか・・浮気なんかしてないですよね?」

青山君にそう斬り込まれた私は思わずコーヒーを吐き出しそうになった。

「な、何を言ってるの?私がそんな事する訳ないじゃない!」

私は慌てて手を振って否定した。

「ですよね・・?でも、奥さんがキッパリ否定してくれたから安心しましたよ!」

そう言って、青山君がソファから腰を上げた。

「じゃ、僕これから授業があるので失礼します」

「忙しいところ足止めしちゃってごめんなさいね」

私もソファから立ち上がりながら、お詫びをした。

「いいんですよ!奥さんの為なら喜んで・・!また何かあったら呼んで下さい!あ、そうだ・・!奥さん、携帯電話の番号を教えてもらえませんか?」

「え・・?あ、ああ・・そうね」

私は青山君のスマホと赤外線通信で電話番号の交換をしたのだった。


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