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我が運命は君の手にあり
第5章 第五章
「そうか。ははっ、そんなの無理して行くこともないよ、仕事じゃないんだから」
車内ラジオから流行りの曲が流れ、遼はハンドルを指先で弾いてリズムをとる。機嫌よく鼻歌を歌う様子を見ると、仕事がうまくいったことが余程嬉しいらしい。
「秋津さん」
「はい」
「明日、食事でもどう?」
突然の誘いに冴子は眉を潜めた。
「え?」
「明日もここへ来るんなら迎えに来てもいいし、何か予定があるなら別の日にでも」
乗り気ではなかったが、断る理由も見当たらない。ロータリーの噴水が見えてきた。
「……いえ、とくに予定は」
「じゃあ決まりだ。事務局に迎えに行くよ。みんなが帰った頃にね。そうだ、連絡先聞いてもいい?」
エントランスに車を止め、二人は互いの連絡先を交換した。冴子は、暇だからここで待つよ、と言う遼の申し出を丁寧に断った。
「では明日。あ、嫌いなものってある? 美味いラーメン屋があるんだ」
「……ラーメン」
「嫌い?」
罪のない顔がそこにあった。
「いえ、好きです」
「じゃあ決まり」
車内ラジオから流行りの曲が流れ、遼はハンドルを指先で弾いてリズムをとる。機嫌よく鼻歌を歌う様子を見ると、仕事がうまくいったことが余程嬉しいらしい。
「秋津さん」
「はい」
「明日、食事でもどう?」
突然の誘いに冴子は眉を潜めた。
「え?」
「明日もここへ来るんなら迎えに来てもいいし、何か予定があるなら別の日にでも」
乗り気ではなかったが、断る理由も見当たらない。ロータリーの噴水が見えてきた。
「……いえ、とくに予定は」
「じゃあ決まりだ。事務局に迎えに行くよ。みんなが帰った頃にね。そうだ、連絡先聞いてもいい?」
エントランスに車を止め、二人は互いの連絡先を交換した。冴子は、暇だからここで待つよ、と言う遼の申し出を丁寧に断った。
「では明日。あ、嫌いなものってある? 美味いラーメン屋があるんだ」
「……ラーメン」
「嫌い?」
罪のない顔がそこにあった。
「いえ、好きです」
「じゃあ決まり」