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我が運命は君の手にあり
第5章 第五章
「冴子、着いたよ」
染井がドアを開け、冴子の頬に手のひらをあてた。
「あ、すみません、私、つい眠ってしまって」
「大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます」
僅かにふらつきながら彼の腕を掴んで外に出ると、そこは真っ暗な見知らぬ場所だった。
「歩けるか?」
「あの、旦那様ここは……」
足元で砂利の音がする。周囲は山なのか藪なのか、暗くてはっきりとわからない。雨上がりの空には星が瞬き、そよぎくる風からは草の匂いがした。薄暗い外灯の先に目を凝らした冴子は、砂利道の奥に小屋らしき建物を見つけた。
「行こう」
肩を抱かれ、足元を気にしながら歩く。外灯を過ぎると、小屋の敷地らしき場所に、ぼつりぼつりとガーデンライトが灯っている。人気のない建物の背後には森が迫っていた。
「私の工房だ」
平屋が二つ並んでいた。一方の入り口はアルミサッシの引き戸、もう一方は木目の扉。染井は引き戸の前に立ち、鍵を開けて中に入った。
不意に点灯した白い照明が眩しく、冴子は目眩を覚えた。
染井がドアを開け、冴子の頬に手のひらをあてた。
「あ、すみません、私、つい眠ってしまって」
「大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます」
僅かにふらつきながら彼の腕を掴んで外に出ると、そこは真っ暗な見知らぬ場所だった。
「歩けるか?」
「あの、旦那様ここは……」
足元で砂利の音がする。周囲は山なのか藪なのか、暗くてはっきりとわからない。雨上がりの空には星が瞬き、そよぎくる風からは草の匂いがした。薄暗い外灯の先に目を凝らした冴子は、砂利道の奥に小屋らしき建物を見つけた。
「行こう」
肩を抱かれ、足元を気にしながら歩く。外灯を過ぎると、小屋の敷地らしき場所に、ぼつりぼつりとガーデンライトが灯っている。人気のない建物の背後には森が迫っていた。
「私の工房だ」
平屋が二つ並んでいた。一方の入り口はアルミサッシの引き戸、もう一方は木目の扉。染井は引き戸の前に立ち、鍵を開けて中に入った。
不意に点灯した白い照明が眩しく、冴子は目眩を覚えた。