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我が運命は君の手にあり
第5章 第五章
冴子はネクタイで目隠しされ、闇に放り出された荷物のようになった。染井の気配が消え、部屋に捨て置かれた恐怖に支配される。だがそれも、何処かで視姦されているという妄想をもたらした。
深く呼吸する度に縄が肌に食い込む。自由を奪われた己の裸体を脳裏に描いた冴子は、何かを欲して高揚しつつある自分に首を振った。

薬のせいでこんな……

五分、十分、どれぐらい経っただろう。左足に何かが触れた。

「うぁぁっ……」

次に右足、そして両足の裏をそっと撫でる。

「あんんっ、ああっ」

それは指先なのか羽根なのかわからない程の僅かなタッチで冴子を惑わせ、乳首の先、耳、首筋、そして腹部から陰毛を掠めてさわさわと動いた。静寂の部屋が、冴子の喘ぎ声で満ちていった。予想のつかない場所への刺激に、肌は総毛立った。腹部にたくし上げられたままのスリップは邪魔でしかなかった。

乳首を噛まれ痛みが走った。

「あうぅっ……」
「……君は私の作品だ」

彼は肌のあちこちに唇を落とした。太腿の内側、肩、こめかみ、首……。舌は際どい場所を掠めて熱くゆっくりと這い回る。冴子は永遠と繰り返される甘やかな焦らしに腰をくねらせ耐えていたが、ついに堪えきれなくなってしまう。

「旦那様、は、早く、早くぅぅっ」

カシャッ

シャッター音がした。

「っ……」

あの写真が目の裏に浮かぶ。

カシャッ、カシャッ……

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