この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
我が運命は君の手にあり
第6章 第六章
「はーい」
一人がその場を去ると、「遼さんごゆっくり」と別の一人が、水のグラスを置いた。
「彼女さんもごゆっくり」
こら和樹、と店主に注意されて首をすくめた彼は、ちょろっと舌を出してレジに向かった。
「明るい雰囲気のお店ですね」
彼らの会話を気にする風でもなく、冴子はグラスの水をひと口飲んだ。
「うん、俺ずっと秋津さんを連れてきたかったんだ」
「はい、ラーメンに餃子」
店主が出来上がったものをカウンターにのせ、遼にニヤリと笑った。
「ところで遼さん、こちらのお嬢さんは?」
「え、親父さんも訊くんですか?」
「だってねぇ、この五年一人で来てた常連さんが、予約までして女性とふたりで来るなんてさ、誰だって気になるでしょ普通は。あ、さぁさどうぞ、食べて食べて」
冴子は俯きがちに微笑んでいた。
「秋津さん食べよう、麺がのびるよ」
「はい、頂きます。おいしそう」
店主はカウンターの向こうで腕を組み、店内を見渡しながらちらちらと視線を寄越した。
「彼女は事務局にいるんです」
「へぇー、それじゃ仕事のお仲間」
「そういうこと」
遼の目をじっと見つめた彼は、軽く二度頷いた。
「あ……なるぼど、そういうことですか。それじゃあ、えっと秋津さんでしたっけ? お近づきに一杯。和樹、こちらに生ひとつ。ひとつでいいぞ、遼さんは車だ」
一人がその場を去ると、「遼さんごゆっくり」と別の一人が、水のグラスを置いた。
「彼女さんもごゆっくり」
こら和樹、と店主に注意されて首をすくめた彼は、ちょろっと舌を出してレジに向かった。
「明るい雰囲気のお店ですね」
彼らの会話を気にする風でもなく、冴子はグラスの水をひと口飲んだ。
「うん、俺ずっと秋津さんを連れてきたかったんだ」
「はい、ラーメンに餃子」
店主が出来上がったものをカウンターにのせ、遼にニヤリと笑った。
「ところで遼さん、こちらのお嬢さんは?」
「え、親父さんも訊くんですか?」
「だってねぇ、この五年一人で来てた常連さんが、予約までして女性とふたりで来るなんてさ、誰だって気になるでしょ普通は。あ、さぁさどうぞ、食べて食べて」
冴子は俯きがちに微笑んでいた。
「秋津さん食べよう、麺がのびるよ」
「はい、頂きます。おいしそう」
店主はカウンターの向こうで腕を組み、店内を見渡しながらちらちらと視線を寄越した。
「彼女は事務局にいるんです」
「へぇー、それじゃ仕事のお仲間」
「そういうこと」
遼の目をじっと見つめた彼は、軽く二度頷いた。
「あ……なるぼど、そういうことですか。それじゃあ、えっと秋津さんでしたっけ? お近づきに一杯。和樹、こちらに生ひとつ。ひとつでいいぞ、遼さんは車だ」