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我が運命は君の手にあり
第6章 第六章
「秋津さん、ぜひまた一緒に来てください。遼さんはみんなに優しくてね、いい男なんですよ、わかるでしょ?」
店主が声を弾ませた。
「はい。いつもよくして頂いてます」
「そうでしょう。またのお越しをお待ちしてます」
「ありがとうございます、とても美味しかったです。ごちそうさまでした」
会計を済ませ、冴子に続いて出ようとする遼の腕を店主が掴んだ。
「遼さん遼さん、わかりやすいなぁ、惚れてんだろ? 脈ありだな、がんばって」
肩を叩かれ、妙な目配せで背中を押された彼は、「ごちそうさまでしたー」とだけ言って店を出た。
そこにいた冴子は神妙な顔で携帯を見つめていた。
「なにかあった?」
「あ、いえその、祖母が眠れないってメッセージを寄越したんです」
「大丈夫かな」
「はい、時々あるんです。でも返信すると安心して眠れるみたいで」
「そっか、なら安心させてあげて」
「すみません」
少し離れた背中に視線を向けた。髪をほどいた横顔にキスをしてみたかった。細い肩を抱き寄せてみたかった。
頬に掛かる髪、物憂げな表情、着衣の上からでもわかる肉感的な体型。
控えめな女が意図せず醸し出す妖艶さは罪だ。言い訳をしつつ、張りのある臀部に見惚れた。熟れた身体、それを己の武器だと気付きもしない女。
こんな女性がいるだろうか……
彼は冴子の全てを肯定し、一層惹かれていくのだった。
今夜想いを告げたら、この先気まずくなるだろうか。
「お待たせしました」
僅かに笑う笑顔が愛しい。
「行こうか、送るよ」
「お願いします」
店主が声を弾ませた。
「はい。いつもよくして頂いてます」
「そうでしょう。またのお越しをお待ちしてます」
「ありがとうございます、とても美味しかったです。ごちそうさまでした」
会計を済ませ、冴子に続いて出ようとする遼の腕を店主が掴んだ。
「遼さん遼さん、わかりやすいなぁ、惚れてんだろ? 脈ありだな、がんばって」
肩を叩かれ、妙な目配せで背中を押された彼は、「ごちそうさまでしたー」とだけ言って店を出た。
そこにいた冴子は神妙な顔で携帯を見つめていた。
「なにかあった?」
「あ、いえその、祖母が眠れないってメッセージを寄越したんです」
「大丈夫かな」
「はい、時々あるんです。でも返信すると安心して眠れるみたいで」
「そっか、なら安心させてあげて」
「すみません」
少し離れた背中に視線を向けた。髪をほどいた横顔にキスをしてみたかった。細い肩を抱き寄せてみたかった。
頬に掛かる髪、物憂げな表情、着衣の上からでもわかる肉感的な体型。
控えめな女が意図せず醸し出す妖艶さは罪だ。言い訳をしつつ、張りのある臀部に見惚れた。熟れた身体、それを己の武器だと気付きもしない女。
こんな女性がいるだろうか……
彼は冴子の全てを肯定し、一層惹かれていくのだった。
今夜想いを告げたら、この先気まずくなるだろうか。
「お待たせしました」
僅かに笑う笑顔が愛しい。
「行こうか、送るよ」
「お願いします」