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我が運命は君の手にあり
第2章 第二章
陶器の割れる音と水が跳ねる音が辺りに響いた。

「ママどこーっ!? あの人が割っちゃったー」

走り去る二人を呆然と見送った女は、足元に散乱した花と砕けた花器を見下ろした。

「大丈夫ですかお客様、お怪我は?」

受付けにいた和服姿のスタッフが駆け寄り、足元を気にかけている。

「ごめんなさい、私、大変なことを……」

箒やモップ、新聞紙を手にした三人のスタッフが、周りを片付け始めた。

「お家元が焼いた花器が……」

誰かのため息が聞こえる。

「お足元が濡れています、すぐにタオルをお持ちしますので」

ジーンズの裾とスニーカーに水がかかっていた。

「いえ、いいんです。それより、大切な花瓶を割ってしまって、あの、弁償します、本当にすみません」

一部始終を見ていた遼が近づき、静かに話しかけた。

「弁償なんてとんでもない、あなたのせいじゃありませんよ、どうか頭を上げてください」
「いえ、そういうわけには……」

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