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我が運命は君の手にあり
第6章 第六章
「秋津さん」
「はい」
「今は、今は俺、家元でいたくない」
「え?」
冴子が不思議そうに遼を見つめた。
「あの店の親父さんもみんなも、遼さんて呼んでくれてます。だからこうして二人でいる時は、秋津さんも家元って呼ばないでほしい。肩書きなんてどうでもいいんだ」
「……はい」
信号が変わり、駅が見えてきた。
「そこの路地を右です。次を左に」
指示に従い細い道に入った。
「あ、あの二階建ての、アパートです」
アパートの前は広い駐車場になっていて、遼は空いた場所に車を停車させた。
「今日は楽しかったです。送って頂いてありがとうございました」
無性に寂しくなった。
「冴子さん」
「はい」
「俺、秋津さんのお陰で今凄く充実してます」
「……」
「俺は純粋なんかじゃないけど、正直でいたいと思ってます。何度も自分自身に確かめてきたけど、今日改めて思い知りました」
喋りすぎだと彼は思った。
「秋津さんが好きで、秋津さんの事しか頭にないです。……だから、試しに俺と付き合ってみて下さい」
「試し……」
「はい」
「今は、今は俺、家元でいたくない」
「え?」
冴子が不思議そうに遼を見つめた。
「あの店の親父さんもみんなも、遼さんて呼んでくれてます。だからこうして二人でいる時は、秋津さんも家元って呼ばないでほしい。肩書きなんてどうでもいいんだ」
「……はい」
信号が変わり、駅が見えてきた。
「そこの路地を右です。次を左に」
指示に従い細い道に入った。
「あ、あの二階建ての、アパートです」
アパートの前は広い駐車場になっていて、遼は空いた場所に車を停車させた。
「今日は楽しかったです。送って頂いてありがとうございました」
無性に寂しくなった。
「冴子さん」
「はい」
「俺、秋津さんのお陰で今凄く充実してます」
「……」
「俺は純粋なんかじゃないけど、正直でいたいと思ってます。何度も自分自身に確かめてきたけど、今日改めて思い知りました」
喋りすぎだと彼は思った。
「秋津さんが好きで、秋津さんの事しか頭にないです。……だから、試しに俺と付き合ってみて下さい」
「試し……」