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我が運命は君の手にあり
第6章 第六章
冴子がアパートの階段を上がり、ドアの向こうに消えるのを見送った。

「おやすみ」

部屋に明かりが灯った。遼は冴子の過去に思いを馳せながらアクセルを踏んだ。重い荷物は捨ててしまえばいいじゃないか。信じてもらいたい。信頼出来る相手はいるのだと。俺は決して裏切ったりしないと。
それさえわかってくれたら、きっと彼女は……

怯むどころか力が湧いてきた。
彼女は誰とも付き合っていないと言い切った、好きな人もいない。問題ない、チャンスは俺の手の中にある。ちゃんと俺を見てもらいたい、信頼を勝ち取りたい、誰よりも早く。

携帯を見つめていた冴子。あの姿、あの視線を俺のものに出来たら……

熱くなる股間に戸惑いつつ、青く必死な自分に驚いて笑った。






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