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我が運命は君の手にあり
第6章 第六章
「頼もしいなぁ。色々聞いてるよ。なかなかの評判だぞ、染井流は安泰だって。親父さんも喜んでいるだろう」
「お父様……」

咲が父親のスーツの袖を掴んだ。

「あぁ、すまんすまん。これから芝居を見に行くんでね。……ん? 咲、ちょっと遼君と並んでごらん? ほほぅ、こうしてみるとなかなかお似合いじゃないか」
「お、お父様ったら。早く行かないと間に合わないわよ」

咲は真っ赤になり、父の手を引いて会場を出ようとした。

「まてまて咲。遼君、久しぶりに会ったんだ。一緒に食事でもどうだい。良い話があるんだよ、7時頃に連絡するから」

目尻が更に下がった。

「お父様……」
「咲も一緒だ」

咲の顔がぱっと明るくなった。

「遼さん、またあとで」

どうしてこう間が悪いのか。二人を見送った遼は、冴子を見た。

「お家元、綾辺さんてホテルとか旅館を経営なさってるんですよね」

本城師範の声に慌てて視線を戻した。

「そう、たしか料亭もあった筈だよ。やり手の社長さんさ」
「良い話ってなんでしょう」
「さぁ、行ってみるしかないな」

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