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我が運命は君の手にあり
第7章 第七章
──この私が恋を

咲への嫉妬が止まらない。諦めていたのに。恋なんて忘れていたのに。
熱く見つめられる一瞬に胸を焦がし、触れて欲しいと願う自分の卑しさを嫌悪した。
彼に相応しくない生き方をしている。常にそう言い聞かせた。断ち切らなければ。何度も決断した。だが、いざ彼を前にすると決意は鈍る。そのうえ押し寄せてくる息苦しさには襲われていたい。ずっと……

冴子は自分を抱きしめ、胸に顔を埋める彼を思った。乳房の先をつねり、「うぅ」と呻いて彼の歯を感じた。

現実を知らせるチャイムが鳴った。急いでショーツを穿き、膝丈のロングTシャツを着て髪を整え洗面所を出た。二度目のチャイムと同時にドアを開くと、「こんばんは」と染井が入ってきた。

「遅くなってしまった。道が混んでてね」
「お疲れ様です。今お風呂から出たところなんです」
「うむ、いい匂いだ」


持っていた紙袋を置き、冴子を抱き寄せた。染井の匂いに包まれていった。

「着物の着心地は?」
「はい、思ったより軽くて涼しいです。本当にありがとうごさいました」
「それは良かった。今夜はどうしても会いたくてね、急だったが都合をつけてくれてよかったよ」

彼は紙袋から包みを取り出し冴子の手に乗せた。

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