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我が運命は君の手にあり
第7章 第七章
会場を見回っていた師範の本城が近付いてきた。

「おはようございます。お家元、今日は早いんですね。あら、秋津さんおはよう」
「おはようございます」

皆が手を止めて遼の前に集まってきた。

「おはようございます。皆さんの丁寧な対応のお陰で、今回の花展、評判が良いようです。ラスト1日、気を引き締めていきましょう。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」

遼が一人になるのを待って、本城が近づいてきた。

「綾辺様とは何かお話されましたか?」
「うん。明日緊急の会議を開くから、みんなを集めてほしいんだ」
「ご自宅で?」
「うん、午前十時」

本城は頷き笑みを浮かべた。

「すぐに招集かけます。良いお話なんですね」
「どうしてわかるの?」
「お顔が輝いています。では」

本城は剛介の下で染井流を支えてきた師範のひとりだった。大半が女性の染井流の中で、彼女は一目置かれていた。同じ世代の守沢直美とは違って硬さがあったが、人望があり、周囲が漏らす遼への不安を、黙って引き受けている事を彼は承知していた。彼女の信頼を得て組織が一体となれば、染井流は堅固なものになるだろう。
この先首都圏以外にも支部を立ち上げ、全国展開を目指す遼にとって、それは大事な一歩だった。





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