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我が運命は君の手にあり
第7章 第七章
中華料理店での打ち上げの後、遼は二次会へ向かうスタッフ達を見送った。彼の隣には、これまで打ち上げに参加した事のない本城が並んでいた。
「お家元、お酒を一滴も召し上がらなかったのは、この後何かご予定があるんですか?」
「あ、うん。まぁ、ちょっと寄りたい所があって」
「どなたかとお約束ですか?」
応え難い質問に、彼は「いや……」とだけ返した。
「咲さんですね」
「えっ、 咲ちゃん? 」
遼の反応に本城が眉を潜めた。
「違うんですか? 食事中、お家元が携帯ばかり気にしてらしたので、相手の方は女性だとばかり……」
「ははっ、あぁ、でもそれがどうして咲ちゃんなんですか?」
本城は勘が外れた事と、遼の相手がどうやら他の女である事に気付いて唖然とした。
「咲さんの気持ちをご存じないんですか?」
「……気持ち?」
今度は遼が呆気にとられた。落胆のため息を漏らした本城は、到着したタクシーに手を上げ、開いたドアの前で振り向いた。
「お家元、染井流の将来がかかっています。今後の身の振り方、よくお考えになってください。くれぐれもお願いしますよ。私は今日、その事をを言いたくてここに来たんです」
「お家元、お酒を一滴も召し上がらなかったのは、この後何かご予定があるんですか?」
「あ、うん。まぁ、ちょっと寄りたい所があって」
「どなたかとお約束ですか?」
応え難い質問に、彼は「いや……」とだけ返した。
「咲さんですね」
「えっ、 咲ちゃん? 」
遼の反応に本城が眉を潜めた。
「違うんですか? 食事中、お家元が携帯ばかり気にしてらしたので、相手の方は女性だとばかり……」
「ははっ、あぁ、でもそれがどうして咲ちゃんなんですか?」
本城は勘が外れた事と、遼の相手がどうやら他の女である事に気付いて唖然とした。
「咲さんの気持ちをご存じないんですか?」
「……気持ち?」
今度は遼が呆気にとられた。落胆のため息を漏らした本城は、到着したタクシーに手を上げ、開いたドアの前で振り向いた。
「お家元、染井流の将来がかかっています。今後の身の振り方、よくお考えになってください。くれぐれもお願いしますよ。私は今日、その事をを言いたくてここに来たんです」