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我が運命は君の手にあり
第8章 第八章
守沢の言わんとするところはわかっていた。遼に誘われた夜も、わかっていながら拒めなかった。卑怯な手を使ったと謝る遼に絆(ほだ)され、酔いに任せて一線を越えた。
旦那様と通じていると白状してしまえば、何も始まらなかった。彼を傷つけ、罵られ、そこで何もかも終わったはずだ。なのに──
今宵限りだと、何度自分に言い聞かせても断り切れない。冴子は悩みながらも悔やんではいなかった。
遼の確かな愛に心が満たされていた。彼は正直で純粋だった。会う度に甘い幸せに浸った。苦手だった笑顔が好きになり、つられて頬笑む自分がいる。まさに恋に酔っていた。
だがそんな中、冴子は染井からの誘いも拒まなかった。これまでの恩もあったが、終わりの見える恋の苦しみを埋めるのは、遼の父親だった。
遼に抱かれる時は甘やかに燃え、染井の前では、遼への愛を振り切るように激しく悶えた。
父と息子。どうしようもない背徳感に襲われていながら身体が濡れる。変わってしまった自分を卑下しつつも、間違いなく満ち足りていた。そして尚も願った。手放したくない。何ひとつ失いたくないと。
旦那様と通じていると白状してしまえば、何も始まらなかった。彼を傷つけ、罵られ、そこで何もかも終わったはずだ。なのに──
今宵限りだと、何度自分に言い聞かせても断り切れない。冴子は悩みながらも悔やんではいなかった。
遼の確かな愛に心が満たされていた。彼は正直で純粋だった。会う度に甘い幸せに浸った。苦手だった笑顔が好きになり、つられて頬笑む自分がいる。まさに恋に酔っていた。
だがそんな中、冴子は染井からの誘いも拒まなかった。これまでの恩もあったが、終わりの見える恋の苦しみを埋めるのは、遼の父親だった。
遼に抱かれる時は甘やかに燃え、染井の前では、遼への愛を振り切るように激しく悶えた。
父と息子。どうしようもない背徳感に襲われていながら身体が濡れる。変わってしまった自分を卑下しつつも、間違いなく満ち足りていた。そして尚も願った。手放したくない。何ひとつ失いたくないと。