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我が運命は君の手にあり
第8章 第八章
「今年の夏も暑かったけど、十月が近づくとさすがに涼しくなるわね」

守沢は既に新入社員達の心を掴み、事務所内の雰囲気は明るい。

「食欲の秋ですねぇ」
「あら、野田さん、今私のお腹を見て言った?」
「見てませんよぉ」
「あ、電話だわ、秋津さん出てくれる?」

冴子が返事をして近くの電話を取った。

「お電話ありがとうございます……」
「あ、事務局ですか? こんにちは、綾辺咲です」

こちらまで明るくなりそうな無邪気な声だ。

「こんにちは」

冴子はメモ用紙に“咲さん"と書いた。

「お忙しいところ申し訳ありません。あの、次回の花展の日程を教えて頂くことっって出来ますか?」
「はい、少々お待ちください」

冴子は間違えないよう予定表を確認し、事務的に答えた。

「ありがとうございます。3日間なんですね。……あの、もしかして、花展の受付にいらっしゃる方ですか? 和服の」
「はい、秋津と申します」
「やっぱり。うふっ、今度私も着付けを教わるんです」
「まあ、そうですか」

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