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我が運命は君の手にあり
第8章 第八章
「秋津さん、私はあなたが嫌いではありません。お家元が惹かれるのもわかります。でも、咲さんでなければ困るんです」
「……」
「おそらくお家元はあなたとの事で、皆さんを説得しようとするでしょう。或いは綾辺様の機嫌を損ねて全てを反故にしても、あなたとの結婚を望むかも知れません」

冴子は思わず顔を上げた。

「まさかそんな……」
「そうなったらどうするんですか? だってあなたは……」
「わかっています」

答えたとたん涙が零れた。
私達二人の結婚など誰も望んでいない。この私でさえ……

「そうですか。いつ終わりにしてくれますか」

淡々とした口調は、残酷な審判を冴子自身に課した。

「ご、ご迷惑はお掛けしません。もう少し、もう少し時間をください……」
「どうかくれぐれも、染井流の将来に水を指す事はおやめください。どうにもならない事は、誰よりあなた自身が一番よくわかっている筈です」
「……わ、わかっています。よく、わかっています」

情けなかった。恋愛などに浮き足立っていた自分が。

「なぜ泣くんです」
「す、すみません」

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