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我が運命は君の手にあり
第9章 第九章
女は化けるとはよく言ったものだ、と思いつつ見とれていた遼は、「うん、馬子にも衣装だ」と冗談めかして微笑んだ。

「ひどーい」

口を尖らせる咲の隣で、肘をつつき合う二人の友。三人は顔を見合せ、ころころと笑いだした。

「よく笑うなぁ君たち」
「若いって素敵ですね」と冴子が相槌を打った。

「私達そろそろ帰らなくちゃ。ママと待ち合わなの。ね、璃子」
「うん、夏歩ママにご馳走になるの、ラッキー」

手を振って出ていく二人に咲が叫んだ。

「ねぇ、体験教室ちゃんと来てねー。私も生け花習う事にしたからー」
「わかったー」

二人がいなくなった途端、会場が静かになった。

「お騒がせしました」

頭を下げる咲の回りにスタッフが集まってきた。本城がしげしげと咲を眺める。

「ほんとに素敵。咲さんにぴったりのお着物ですよ」
「咲ちゃん大人っぽくなったわ」
「見違えちゃった」
「えへっ、ありがとうございます」

咲は照れながらも嬉しさを隠せない。

「皆さん並んで下さい。写真撮りますよ」

受付の奥からカメラを持ってきたのは冴子だった。

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