この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
我が運命は君の手にあり
第9章 第九章
綾辺との約束の時間が迫っていた。スタッフらは明日の片付けの手順を確認し、冴子はカウンターの奥でポットや余った紙コップ等を段ボールに詰め込んでいた。
遼は少しでも冴子と言葉を交わそうと、カウンター越しに声を掛けた。

「お疲れさま、手伝うよ」
「ありがとうございます。でもここはすぐに片付き……」
「遼さん、じつはお父様が」

背後で咲の声がした。

「ん?」
「私も遼さんと一緒に来るようにって」
「え、そうなの?」

指示された場所は綾辺が経営する料亭だ。なぜ咲がそこに顔を出すのか。綾辺は仕事の話に娘を同席させるつもりなのだろうか。
見つめている咲の顔がぽっと赤らんだ。彼は慌てて視線をずらし、段ボールを閉じている冴子の横顔に何か言おうとした。

「あの、遼さん、そろそろ行かないとお父様が……」
「そうだね、行かなきゃ。あの……秋津さん」
「秋津さん、写真が出来上がるの楽しみにしています。ありがとうございました」

カウンター越しに咲と向き合った冴子は、姉のような眼差しで微笑んだ。

「着付けのお稽古がんばってくださいね。お花も始めるんですね」
「はい、いろいろ忙しくなりそうです」


/334ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ